ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 620
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ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 620 円 / 1 円 より
発売日: (1988-06) アマゾン売上ランキング: 31960 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 14件

人物描写がいまいちだが、読み応えのある一冊!
長編で非常に読み応えのある本。
私が現在ヨーロッパに住んでいることもあり、少し感情移入しながら読めた。
話の展開や、ヨーロッパ各国(特に共産圏時代の東欧)の描写などは非常に楽しめたのだが、登場人物像がいまいちはっきり伝わってこなかった。
主人公の女性は頭もよく、3カ国語を操り、非常に美しい女性で、実はみんな彼女に恋していた。。。
とか、ちょっと少女コミック的な発想で私はこういうのは好きじゃない。
何か、それぞれの人物の汚い部分や、暗い部分をもっと描写して欲しかった気もする。(それに関してはナガセの人物描写が一番リアリティーがあって好きだった)。それにしても、これほどの長編を丁寧に書き上げたのはすばらしいと思うし、この本を読んでみたら、一度は欧州を旅してみたいと誰もが思う一冊だと思う。(もう共産圏はなくなったけどね)
エンターテイメントとして楽しめる
すごく考えさせられるというほど深くはないが、
暇なときに本を読むという
エンターテインメントとしては素晴らしい作品のように思う。
上下800ページにもかかわらず、先をどんどん読み進めたいと思える
おもしろい作品。
ただ共産主義時代の話は時代錯誤感はある。
イマイチ!
1/4しか読んでないのに感想を書いてしまうのも失礼ながら:

この小説、友達が旅情を掻き立てられるとか言って勧めてくれたし、それなりに売れたんじゃなかったかと思うのだけど、なんつーのかイマイチ面白くない。評価すべきは、ドイツについての描写。ちょっと説明臭いけど、実際に街の風景が思い浮かぶようで。イギリスでもイタリアでもなく、ドイツをきちんと表現している。でもそれが登場人物の心理描写と調和してないというのか、この2つを無理やり一つの作品にしているところに、不自然さを感じる。

人物の心理描写についても、もともと書きたいパーツがあって、それをストーリーの各所に並べたようなちぐはぐさを感じる。たとえば、主人公のある言葉:
「シギィ(彼氏)への不満は、なんと小さな、身勝手な不満であったことだろう。恋人同士であれ、夫婦であれ、友人であれ、いったい誰がいつもいつも相手の求めるものに応じられるだろう。人は絶えず、このようにされたいと思うとき、されたくない行為を受けている。自分だって、きっと同じだ。相手が言われたくない言葉を、気づかずに口にしているときが多いに違いない。自分は、ないものねだりをしていたのだ」

これは真実だと思う。宮本輝は、人間関係の普遍的な真理を、こんな風に登場人物に語らせる。その一つ一つの言葉は確かに正しいし、説得力があるのだけど、それがストーリーの中で自然な表現になっていなくて、どことなくわざとらしさを感じてしまう。どうしてなんだろう。

小説ではなく、純粋にドイツ(あるいはドナウ流域)についての紀行文を書いた方が、魅力的な作品になったんじゃないかなあ。

ドナウ川の流れ
宮本輝氏独特の紀行文+私小説の代表的作品。この作品はドナウ川流れと運命によって流される人生を象徴的に結びつけている点は素晴らしかった。物語のきっかけは母 絹子の恋人である長瀬の死に場所探しからだった訳だが、娘 麻沙子とフィアンセのシギィと旅をすることにより最終的には自分の中の『生』を確認する旅へと変わったのだと思う。また雄大なドナウの流れと流域の東欧の街で必死に暮らす人々もその一助となったのは間違いない。ヨーロッパには行ったことは無いが、ドナウの生命力を感じる旅に出てみたくなった。あえて評価を★3とさせて頂いたのは、紀行文的要素が強く出すぎて軽さを感じたからなのだが、十分楽しめる作品だと思う。

とにかく、ドイツへ行きたくなります。長編なので読み終わった後、達成感がありました。ドナウ川をめざし、ひたすら旅をする物語です。