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信長燃ゆ〈上〉 (新潮文庫)
安部 龍太郎
新潮社
価格(new/used):
700 円 /
63 円 より
発売日:
(2004-09)
アマゾン売上ランキング:
203570 位 文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0
/ 総数: 5件
巨星をなぜ墜ちたか
宗教に代表される中世的権威をとことん破壊し、近代日本社会の基盤をつくったのは織田信長である。
信長なかりせば、近代日本の歴史はよほど違っていたものになっていたことは間違いない。
作家の塩野七生氏も「信長が日本に政教分離を確立した」と高く評価しておられるが、
信長が「第六天魔王」と罵詈讒謗を受けながら強行した一連の「対宗教戦争」によって、
日本では政治権力が宗教に優越することが確定した。
実に西欧における政教分離原則の確立に先立つこと200年である。
その日本史上に輝く巨星が、権勢の絶頂において、部下の頭を張り倒したことくらいで殺されるものだろうか?
本能寺の変の「光秀怨恨説」には、昔から胡散臭いものがあった。
本書は、信長がなぜ失墜しなければならなかったかを、最新の歴史研究の成果も踏まえ、あますところなく描いている。
本書の説が歴史の真実であるかどうかは、わからない。
だが、十二分に説得的であり、何より小説として抜群に面白いのだ!!
公武相反する妙味。
稚拙な信長モノ書って、光秀のうらみつらみ説が主流であんまり面白くはないですが、本書は公家VS信長って感じであるいみ新鮮味があります。 歴史的になにが本当なのかというと、実際のところよくわかっていないわけで、少なくとも広く言われている「光秀がいじめられて~」なんていうのは「物語」なわけです。 諸説あり増すが、想像の範疇を脱しないわけで、そういう中では本書は旧来の光秀怨念説一辺倒ではない分楽しめます。
前久におんぶしすぎ
公家と武家との対立で信長は滅んだ、という印象を受けるが、公家一人にこれだけの実力があれば天皇家は武家に力押しされなかったのではないだろうか。 誰もが本能寺の小説を書いているが、ひとつとして納得のいく書物はない。なにかと理由付けしようとするからだろう。 そもそも光秀が信長を討ったということは光秀がどういう人物か、というものが分かっていなければ書くのは難解である。 例えていうなら現在の警察とすると、被害者である信長を容疑者である光秀が殺した、ということならば被害者の詳細は把握してるが、捕まえた光秀の性格は何一つ分からない、ということはありえないだろう。 その論点から講じない限り、本能寺の変は納得のいくような結論は出ないかと思われる。
新しい切り口で始まります
数年前に新刊本が出たときからこの本を注目していましたが、この度、文庫本が出版されたことで迷わず購入しました。 あとがきにも著者がかかれていますが、この本は、洋書に見られるような工法を取り入れられています。普通、起承転結で始まりますが、この本は、冒頭が「結」です。いきなり「本能寺の変」の事件模様をドラマチックに物語っています。最初の部分に動乱があり、小説の目玉となる見どころのひとつになっています。 戦国時代の武勇伝をお気に入りの方はお奨めできませんが、大河ドラマ的な小説がお好みの方にはこういう切り口の小説に新鮮味が感じられることかと思います。
うーん。。。
戦国物の定番小説である。当然、信長を書けば作者の力量が分かるわけで、その点では作家なりの一工夫あり。 近衛前久の陰謀説を前面に、前久からの視点から物語りは展開する。 その点、多分この作家が書きたかったと思われる現代社会・経済にも見て取れる既得権(近衛)と構造改革者(信長)の葛藤がうまく描かれており、納得する。但し結末がちょっと迫力に欠け、その点が拍子抜けしてしまった所がもったいないなー。
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