脳のからくり (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 540
home書籍CDDVDゲームソフトウェア家電キッチンおもちゃ・趣味
脳のからくり (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 540 円 / 82 円 より
発売日: (2006-10) アマゾン売上ランキング: 224922 位
文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 7件

読み物として
 脳に関する本を読んだのはこの本が初めてです。
 竹内薫さんの本は以前一冊読んだことがあり(99,9%は仮説)、わかりやすく面白かったので、この本も、と思って手に取りました。案の定、理解しやすかったので満足しています。
 内容は本当に初心者向けで、初めて触れる分野だったのでいい本に出会えたと思っています。最初に基本的な脳の構造(視覚が中心)を説明されて、最先端の脳内現象「クオリア」の概要に入ります。「クオリア」の部分には茂木先生が執筆を担当なさっていますが、本当にさわる程度だったので、初心者でしたが安心して読むことが出来ました。竹内さんが執筆している所も、分かりにくい所でも、身近な現象に置き換えて説明してくれるので、無理なく読めます。
 ただ、本の分量の割に、内容が薄く、少し中途半端な感もしました。確かに身近な現象に置き換えてくれるのはありがたいのですが、竹内さん(氏はミステリー作家でもあるらしい)の短編小説など、少々余計なところも多いです。
 割とたくさんの脳に関する本を読んだ方には向かないでしょう。
目線を低くして解説した本
「脳のからくり」って題名からして専門書的な感じを受けますが、読んでみると目線を一般人と同じ高さにしたレベルで書かれています。
勿論専門的な言葉も多く出てきますが、一つ一つが分かりやすく説明されていて、読んでいて堅くなることはありませんでした。
こういったところは著者の筆力が優れているからでしょう。

また脳の構造ばかりではなく、後半は意識についての仕組みを独特な解釈を入れながら述べてあり、その内容に驚かされました。
脳がとても複雑で細かい物質同士のネットワークになっていることなど興味が注がれます。

まだまだ脳については分からないことだらけのようですが、この本で少しは知識を得たように思います。
文庫本なので気楽に読むことが出来ますよ。
簡潔明快。
新しい情報はあるものの、全体としては有名な話の連続。
それでもペンローズの「量子脳」の話とか、簡潔に纏められていて良い。
脳入門書+読み物としては、中の上か。
誰に説明するための書物か?
”脳のからくり”というと、いかにも脳外科的な医学書をブルーバックス的に噛み砕いた書物のような印象を受ける。(すいません、ブルーバックスさん。)確かに、始めの方は脳神経についての説明がなされている。(哺乳類・人だけですが。)後半、いきなり人の意識の話題に移り変わり、論理の飛躍が大きすぎる。また、脳機能の視覚についての仕組みを解説しているのは理解できるが、大脳皮質だけに偏ったものではないだろうか。その他の部位との関係などは触れておらず、”脳のからくり”がすなわち人だけが持つ高機能な感覚”クオリア”だとする論理は、やや読む側にとっては素人だましだと言われても仕方がないだろう。
人の意識とは精神科学の分野であり、脳外科的な分析からは未だ攻めきれない領域であることは、著者自身が十分に了解しているはずである。わからないことが多すぎて、解析不可能であると言った方が読者にはやさしいのではないだろうか。そういう意味で、是非、この書物に副題をつけていただきたかった。”脳で意識が生まれる秘密”など。しかし、この秘密も読んでいてよくわからないのだけれども・・・。量子力学という言葉がでてくることも、少々紛らわしい。物理を知らない一般読者には、なんのことやらという読む気をそぐ内容である。
いったい誰に説明するための書物なのかということを、読書後に感じざるを得ない。いろんな科学的な事象が盛り込みすぎているでのある。
物理学者の書く脳科学論
物理学者・サイエンスライターの竹内薫が書いて、親友の脳科学者・茂木健一郎が監修した一冊。

竹内は、いわば脳科学の門外漢ではあるが、サイエンスライターの肩書きに恥じないだけの取材をして、自分が勉強してきた道筋を本にまとめている。門外漢が書いた入門書(しかも現代日本で考えられる最高の監修者つき)だから、分かりにくいはずがない。しかも、こういう入門書はえてして、専門家の書く文章よりおもしろい。専門家はえてしてジャーゴンと業界のしがらみにおかされて、ときどき自分が誰に向って書いているのか分からなくなるのだ。門外漢はそういうしばりがない。結構すぱっとおもしろいことを言ってくれる。

脳は、世界を再構築して立ち上げる。従い、わたしたちが感じている世界は、(視覚にしても聴覚にしても、その他もろもろの感覚・クオリアにしても)脳が創ったフィクションでしかない。脳はいろいろなものを「創りあげる」器官である。というまとめは、刺激的である。

<小説家や映画監督やゲーム・クリエイターになりたい人が多いのはなぜでしょう。
音楽界や歌舞伎や映画といった創作物を鑑賞すると楽しいのはなぜでしょう?
それは、もともと人間の脳は「創る」ようにできているからです。
それが脳本来の仕事なのです。>

こういう考え方がどれくらい正統派の脳科学者に受け入れられているのかどうかは分からないけど、一般人には非常に受け入れやすいと思う。

つまらない会議、朝礼、式典で、ぼくたちはいつも眠くなる。それは、脳が「こんなものに参加していると脳がだめになる」という素直なサインを発信しているのだ、という文をどこかで読んで感心したことがある。その考え方と、脳は「創る」ためのものだ、というのは非常に親和性がある。

つまらない会議では無理せず別のことを考えていた方がいいのね、多分。脳に正直に。