古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)

- 新潮社 価格 ¥ 540
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古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)


新潮社

価格(new/used): 540 円 / 1 円 より
発売日: (2008-02) アマゾン売上ランキング: 87645 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 4件

狭い世間とのどかな職場とほろ苦い人生と
井伏鱒二「珍品堂主人」を思いながら読む(結局思い出せず)。骨董商というのは小説の題材になりやすいと思われる。値段に決まりがなく、商売上の駆け引きに、人間の欲や弱さが如実に表れるからであろう。しかしこの小説は、そんなこととはあまり関係なく進む。古道具屋で働く人々の、のたりとした日常と小さな事件、それぞれの恋愛が主題である。主人公は女性で、仕事の上であまり役立っているように思えず、恵まれた生活をしているとも思えないが、その「のらくら」さは、何となくうらやましい。働くということが苦行と同義のようになっている現代にあって、この職場、けっこう素敵だった。店主の心変わりで、おしゃれな店に衣替えしてしまったのは、無責任な立場からみると残念。

何気ないことばへの敏感な反応が面白い。これは作者ならではの感性である。その一方で、以前に私が指摘して大変不評な感想である「終わり方のまずさ」はここでも幾分感じられる。店じまいでお終いにしてもよかったし、末尾は「なったんだ」までにしておいた方がよかった、などと書くと、また猛然と批判がくるのだろうか?もしかして、川上弘美のファンには独善的な人が多いのだろうか?
独特の世界を愉しんで。
この著者さんの作品、たとえば「神様」がもつ独特の世界観がたまらなく好きです。
今回も期待して読んだのですが・・・うーん。うーん。よくわからない感じで終わってしまいました。
主人公の年齢設定や登場人物の不思議さに、この作者の持つ雰囲気が消されてしまうというか、
「最近のコって、こんな感じなのよねぇ」
で終わってしまいかねないような。
それでも、作品のところどころに、すごく響きの言い文章があったり、
他の人では考えつかないような物のたとえがあったりするので、
そういうのを探しながら読むのは楽しいかも。
ラストで台無し
骨董ではなく古道具を扱う中野商店。その店で売られる古道具のように、どこか冴えない登場人物達が織りなす物語は、味わい深くてなかなか面白い。しかし、リニューアルオープンした「なかの」の白々しさと同様に、ラストの再会のくだりは取って付けたようでいただけなかった。女の都合の良い願望というか、そんな感じ。
しゅるしゅる
無気味だけれど愛らしい、奇怪だけど憎めない、そういうものを描いてきた川上さん。当初、熊や蛇だったそれらは、最近では変わった先生だったり男の子だったりしていますが、この作品ではぐっと現実的になって、ほとんど普通の小説です。もっとも無気味で奇怪なのは普通の人間だったということに落ち着きつつあるのでしょうか。表面的に変なものを描かなくても無気味で奇怪なものを描くことが出来るという川上さんの「進化」なのでしょうか。

無気味で奇怪な雰囲気が好きなデビュー作以来のファンとしては、この小説の冒頭にあふれているそういう雰囲気に感激しました。特に「しゅるしゅると話す」という一文。好きだ嫌いだの話にまとまっていく前の、無気味で奇怪な書き出し。まいりました。
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