ラッシュライフ (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 660
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ラッシュライフ (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 660 円 / 334 円 より
発売日: (2005-04) アマゾン売上ランキング: 538 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 96件

神の手
連続バラバラ殺人が起こっている仙台の町。

死体がバラバラになり、それがまたくっつくという都市伝説が囁かれる街で、老犬、拳銃など不思議なモチーフの下、まったく関連なしに起こっているさまざまな出来事が時間を超えどんどんつながっていく。
それをつなげるのは神か、それとも単なる偶然か?

偶然と思ったことも実は意味がある。そう感じる小説。
Here Comes The Sun, It's All Right
多彩な作風を持つ伊坂氏が今回は視点が複数の並行進行型のストーリーに挑む。舞台は伊坂氏馴染みの仙台で、折りしも連続バラバラ殺人事件が起こっている。

登場人物は「重力ピエロ」の黒澤(本作では空き巣役)、失業者の豊田、不倫相手の妻の殺害を企む驕慢な精神科医の京子、高橋と言う教祖的存在を中心とする新興宗教風組織に染まった河原崎、傲慢な画商の戸田と新進画家の志奈子。彼等の繋がりは、京子が用意した拳銃を豊田が偶然拾うくらいで良く見えない。日本人からアンケートを取る白人女性が訳ありそうに描かれるが、どう関係するかは不明。老犬、異国の宝クジ、赤い帽子等の鎖の断片も示される。しかし、黒澤が入った家で出会った佐々岡が、黒澤の元同窓生かつ志奈子の元恋人と言うのは流石に偶然過ぎるだろう。黒澤のお得意先の一軒が豊田をリストラした舟木と言うのも偶然過ぎる。そして、豊田と拳銃の関係は哀愁から復讐へと移って行く...。この小説は何処に向かって行くのか ?

五里霧中な展開の中、京子の不倫相手の青山が人を轢き、その死体がトランク中で瞬時にバラバラになり、一方、河原崎が「神」である高橋の解体作業に係る辺りから物語に求心性が出て来る。更に、トランク中のバラバラ死体が繋がってトランクから抜け出す描写の場面では、新手のミステリかと思わせるが、如何せん結末はすぐそこ...。

新しいタイプの小説である。本作の趣向は「そんな偶然性の高い人間関係はないだろう」と言う非難を覚悟の上で、作者の感性を思うがままに披瀝したものと言える。個人的には、河原崎と豊田に的を絞った方が上質の作品になったと思うが。「ラッシュライフ」を作者は結末で「豊潤な人生」としているが、「駆け巡る人生」の方がふさわしいと思った。
時間軸にいるたのしさ
おなじ時代、おなじ地球のおなじ国のおなじ季節に 生きる不思議さを感じます。 ひとりの作家の本が縁であつまる不思議な人に感謝します。幸運をお互いにつかみましょう。
余計な仕掛けは無用
独特のキャラと予想のつかない展開が持ち味の作者の第2作は、前作にも増して内容が練られ、その不思議な魅力が一層凝縮されました。
従来の小説とは異なり、作者の作品は何かが起こり、展開し、そして解決する一連の過程を語ることを目的としていないようで、そこが最大の魅力と感じています。本作でも、独自の設定に基くシーンが次々と積み重なって行く様を心ゆくまで堪能しました。
尚、技巧が好きな人は「騙し絵」の仕掛けを絶賛するでしょうが、そういったテクニックに走らずとも十分に魅力的なオリジナリティーに溢れた世界を確立していますので、そちらの方にこそ集中して欲しいと思います。
おもしろかった♪
なんで?なんで?え?で、どうなるの?って感じで、ページをめくるのがとても楽しかったです。