チェーン・スモーキング (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 460
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チェーン・スモーキング (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 460 円 / 1 円 より
発売日: (1996-03) アマゾン売上ランキング: 124132 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件

「私」から見える風景を面白く書いたエッセイ
沢木氏の持ち味なのかもしれないが、エッセイを小説のように読ませるところが面白い。

しかし沢木氏が他のエッセイで見せるような手法、つまりある事柄の本質を、
その周りの事柄を鋭く描き出すことによって浮かび上がらせるような深みはない。

どちらかというと時間つぶしにさっと流し読みして楽しむのに向いているだろう。
つながってつながって
連鎖、連鎖、また連鎖。
とめどなく続く日常会話のように、つながっているようでつながっていないような、そんな取り留めのなさ。
しかも、記憶もあいまいで、「こうじゃなかったけ」といった適当さがある。

文章は体系的であり、きっちりと文献に当たるべし、書物の基本がそうである分、この適当っぷりと人間くささはけっこう好ましい。

沢木氏は、「深夜特急」などで世界を渡り歩いているが、感覚としてはかなり都会的な人だと思う。
深夜タクシーの描写はなかなかのものだし、つながりがあるようなないような、この距離の感覚もなんとも都会らしい。

気分としては、東京のネオンを眺めながら、時間を気にせずぼんやり読みたい本。
酔いしれるエッセイ!!
例えば話題や人々の思考が移り行くのと同じく、
このエッセイで紹介されるエピソードもどんどんと巡りゆく。
その姿はチェーン・スモークに似ており、タイトルは言い得て妙だ。

現実に基づくエピソードはまるで短編小説のような読み応えがあり、
独特のタッチとテンポで描写された著者の世界は、
都会的であり、どことなくクールで、それでいて人間味がある魅惑的な世界。

情景や心の有様がパッと思い浮かべられるような文脈に、
なんだか酔いしれてしまった。
この作者に向いている人
どんな題材をとってもクールな感動は見出せる。ルポタージュの手法をうまく昇華出来ている著者には、エッセイはお手のものといった感じだ。
この人の本全体にいえることだが、簡潔で格好いい文章が読みたいが、村上春樹があまり好きではない人におすすめだと思う。
最高のエッセイ!
 この本を読むと、純粋に「上手いなぁ~」と思う。「チェーン・スモーキング」そのままに次から次へと話が広がっていくため、読み手を全く飽きさせる事がない。 上手さとともに素晴らしいのは筆者の優れた感性だ。子供の頃に感じた、心に染み入ってくるような何ともいえない感情、様々な世代や世界に住む人々の微妙な心の動き等を見事に描き上げている。もちろん心理描写のみならずユーモアもありで、まったく短編小説のような優れたエッセイ集だ。 エッセイとはあまり関係の無い話ですが、優しいタッチで描かれた挿絵も、文章とともに私の心を和めてくれる。トータルで満点の本です。