食卓の情景 (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 620
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食卓の情景 (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 620 円 / 20 円 より
発売日: (1980-04) アマゾン売上ランキング: 46213 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 13件

何回も読んでます
 タイトルが、まさにこの本の全てを物語っています。単なる食べ物や食べ歩きのエッセイではない、食べ物を通しての作者の自伝です。
 出てくる食べ物のほとんどは、普段我々が慣れ親しんでいるものばかりですが、それにまつわるエピソードの豊穣さといったら、正直うらやましいなと思ってしまいます。毎日食べるそのものについての思い、または一緒に食事する家族や仲間との会話、そのひとつひとつが生きていく上でとても大切なのだという事を、気づかせてくれる一冊です。
 
 
 
いいエッセイだな
池波正太郎の描く昭和の世界観は最高です。出てくる食べ物が全ておいしそうに描かれています。そしてその料理を提供する人達も素晴らしい哲学を持っています。作り手がすばらしくないと、その創作物の料理は美味しくなるはずが無いのですね。作り手だけではありません。そこで働く人達全てが美味しい料理を目指さないとダメなわけです。昨今の食品の偽装問題は根本がそこにあると思います。お店全てで美味しい料理を作ろう、と意識していないわけです。
その視点で、本作ではトンカツ屋さんの「とんき」の話が心に残りました。
少し食べ過ぎだったかも?
 小説も面白いけれど、「食」のエッセイも文字通り味わい深いですね。読んでいて呆れるくらいの細かな料理の記録に唖然としました。育った戦前戦後の体験もあるのでしょうけれど、ここまで食べることに拘った人生に驚く。読んでいると、関東の方らしく濃い味付けのものを好んだようですね。全国津々浦々では無いですが、そこへ行けば食べてみたいという店が沢山紹介されていますので現存していれば食してみたいものですね。
 でも、こんなに美味しいものを3食毎日沢山食べて、呑んで、更に13歳から煙草も吸っていたなんていうと豪快な筆者の人柄を羨望するよりも、これでは体が持たなかっただろうなと思いました。68歳での急逝も仕方なかったか・・・。
男だなあ
たまたま喫茶店においてあって、なんとなくめくっていたらすっかりとりこになり、後から探して読みました。あの時代の男性のダンディズムが、今だからこそいっそうしみます。
昭和の香り漂う食についての秀逸なエッセイ
池波正太郎氏の素晴らしい文章で綴られた、秀逸なエッセイです。
読み進めていく内に、その食、その地方、そのお店、そこの人々の情景が
思い浮かばれる筆致に、何度も唸りました。
このような文章を読むにつけ、日本語の素晴らしさを再確認するとともに、
旧きよき昭和の日本を思い出します。逆に、現代日本が失ったモノの大きさ、
多さも実感します。

食についても、名実伴った名店も登場し、地方色豊な名品もあり、家庭料理
についても事細かに記述されています。食を通じた、池波氏の人生の縮図を
一気に読み進めることができたような気がします。装丁やイラストも池波氏
の手によるもののようで、とても温かい感じがいたします。

心が疲れた時に、何度も読み返したい、そんな名品ではないでしょうか。