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樅ノ木は残った (中) (新潮文庫) |
| - 新潮社 価格 ¥ 620 | |
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新潮社 価格(new/used): 620 円 / 460 円 より 発売日: (2003-02) アマゾン売上ランキング: 14209 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件 参考にします大切なこと重要ことほど、人に言えないものです。 武士社会とサラリーマン。あまり違いがない気がします。 もしあるなら、愚痴が言える。憂さ晴らしが出来る。かな。武士はそんなことも許されなかったんじゃないでしょうか。 おみや さんがお幸せでありますように物語が動きます。人の織り成す錦模様、絵柄はまだ見えませんが、幾重にも織られて厚さが増していきます。人は人それぞれの世界を持ち、懸命に生きているのです。登場人物のそれぞれが愛おしくなります。己を大切にするも粗末にするも己が決めること。また、対する人もまた己であること。忘れても思い出し、思い出し生きていきます。人々の間に不和を起こさせ、それから利益を得ようとする人々、その行いは戦術の一つでしょうが、理に合わないことです。 伊達60万石の行方はいざ知らず、どのような結末を迎えるのか、下巻へ。 くびじろと申す大鹿樅ノ木の主人公、原田甲斐の趣味が猪や鹿を狩ることだという点は山本周五郎のユーモアである。あの、静かな権謀術数にたけた原田甲斐が一人で山にこもり、獣を取る。この違和感が、小説にユーモアを添えている。特に大きな牝鹿”くびじろ”との対決は、濃厚な人間模様で充満しているこの小説の清涼剤。カロリーたっぷりのメインコースに添えられた温野菜といった感がある。純粋に楽しめる。ただ、一点どうしても分からないのが、農夫が原田甲斐を救うシーン。農夫は原田甲斐を鉄砲でうつためにずっと甲斐のあとをつけてきたのに、甲斐が大鹿の角でやられる直前に甲斐をうたずに大鹿を撃って甲斐を救った。その理由は、いまだに分からない。のどに刺さった魚の小骨のようにひっかかっている。 さすが山本周五郎。冒頭から一気に江戸時代に読者をタイムスリップさせた周五郎。中巻でもその勢いは止まらない。伊達藩や幕府の重臣たちの重々しい政治の世界―トップの苦悩と決断を描く一方、平凡な市井に暮らす人々の懸命で可憐な姿も巧みに織り交ぜ、息をつかせない。見事である。 多くの人に影響を与えた、というのがよくわかる作品世界だ。 若い人たち、もっと周五郎を読みましょう。 いまだに新しいなぜ山本周五郎の作品は新しさを失わないんだろう?物語は江戸時代初期の「伊達騒動」を題材にしているのにもかかわらず、その登場人物には深く感動を与えられるし、共感も得られる。 それは山本周五郎と言う人が人間の深い真実と言うものを感覚的に捕らえていたからなのではないだろうか? 「一人で生きる」ということを自分に課せられた使命のために厳しく自身を戒める主人公の原田甲斐は現代においても尊敬できる人物である。その生き方に深い感動を感じずにはいられない。 そして、唯一心を通わせた宇乃、そして自然(くびじろ、鯉、樅の木)にはその存在が極めて大きい。ことにラストは圧巻である。故郷から移植した樅の木はたった一本でその地に根を張っている。甲斐は自らをそこに投影し、宇乃にそれを託したのではないだろうか?原田甲斐の悲しさと強さが強く出ていて素晴らしい締めくくりとなっています。 この作品は登場人物が多かったり、江戸時代の役職名などが重要になってきたりして、なかなか読みづらいところもあるだろうけど、傑作であることは間違いようがありません。 |