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死者の奢り・飼育 (新潮文庫) |
| - 新潮社 価格 ¥ 460 | |
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死者の奢り・飼育 (新潮文庫)新潮社 価格(new/used): 460 円 / 1 円 より 発売日: (1959-09) アマゾン売上ランキング: 45219 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 18件 死と性の奥底に死や性について小説内に実際に存在しているかのように表現されていて、その質感や感触までが伝わってきます。ですが、それらすらも表面上のこと過ぎず、「他人の足」に見られるような隔絶や「飼育」での少年の成長、そして「人間の羊」のとある人物に対するすさまじい嫌悪感といった人間のもつかすかな、しかし決定的な心の動きを心理と行動の両面で書き出しています。 筋だけで言えば好みではありませんが、ただただその力量に感服しました。 難しいけど、面白い『死者の奢り・飼育』です。 ノーベル文学賞の大江健三郎にとっての出世作である『死者の奢り』、芥川賞作『飼育』を含む短編集です。 大江というと、左がかっている、ということで毛嫌いしている人も多いかもしれません。 しかし、この作品集は、特に右とか左とか関係なく、普通に人間というものを掘り下げて描いていますし、妙に哲学的で難解ということもありません。少なくとも、どういう話の流れなのか、はちゃんと分かります。作品自体が、単純に読んで面白いです。 『死者の奢り』は大学生が死体処理室のバイトをして苦労する話。 『飼育』は、空から落ちてきた黒人兵を村人達が「飼育」する話。 『人間の羊』『他人の足』も良いです。 文章は、かなり硬くて読みにくいですし、各作品の舞台が戦後ちょっとくらいなので、戦争の影を引きずっている部分は多々ありますけどね。 充実した短編集タイトルである「死者の奢り」「飼育」はもちろん、それ以外の四篇も見事に引きこまれました。憤り、悲しみ、絶望、空虚といった複雑な人間の感情がそれぞれ見事に織り込まれており、人間のちょっとした仕草や表情や情景に対してたくみな比喩を用いています。例えば「汗」ひとつを表すにしてもとてもねちっこいし、いやらしい。身体に関する描写は嫌というほど細かく頭にまとわりついてくる感じです。そしてそれぞれの読後にスッキリといった気持ちはとてもじゃないけどおきない。じわじわと内面深くに響いてくる。 全体を通じて、戦争やアメリカ兵に翻弄されるストーリーが主体ですが、それは著者自身の体験であり、同時に何かしら屈辱を感じさせる重たい雰囲気は、今ではうかがえない敗戦にうちひしがれた社会とそこに生きる人々を見事に体現しているものと思われます。 全六編全てが面白い。芥川賞の候補作品になった『死者の奢り』と、芥川賞受賞作品である『飼育』を含む短編集。 初版は一九五十年代に出版されたということもあって言葉遣いが少々古いところもあるが、全く気にならないレベル。 一つ一つの作品は短編で総ページ数もそんなに多くないが、とにかく読み応えが凄い。 全体的に重く、静か。 読み終えた後に爽やかな気持ちになった作品は一つとして無いが、「嘘っぽさ」も全く無い。 これを学生の頃に書いたなんてほんと凄いとしか言いようがない。 著者自身の思想は嫌いという人の中にも、この作品自体は面白いと感じる人はたくさんいるんじゃないかなあと思う。読まず嫌いは勿体無い。 濃密な短編集佳作6作の短編集。 短編集だし、本自体も厚くないし、一気に読めるかと思いきや、 のっけの「死者の奢り」から大学の地下室で標本死体の移し変えのバイトの話でズーン。 タイル張りの黴臭い地下室の水槽にアルコール漬けの死体がプカプカ浮かんでる 様子を読んだ瞬間に気持ちが一気にドーンと暗くなったけど、生や死、虚無感や徒労感が 鮮明に描かれていて、特に最後の「喉にこみあげて来る、膨れきった厚ぼったい感情」とか の表現は詩的で秀逸だと思った。 戦後十年頃に書かれた作品群なので、どの作品にも戦争の色は濃く出ています。 作品のテーマが虚無感、侮蔑、裏切り、傍観、誇り、欺瞞などどれも濃密で、 1作品読み終わるごとに、ふーっと溜息が出て、読み終わるまでに結構時間がかかりました。 |