R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 580
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R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 580 円 / 90 円 より
発売日: (1974-08) アマゾン売上ランキング: 178504 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 6件

メビウスの輪のような
まるで、メビウスの輪のようである。

機械と人間、犬と飼い主、社会と犯罪、古代人と現代人。
これらの常識的な価値観と位置づけが、あっという間にくるりと反転して、「あっかんべー」と舌を出してくる。

表題「R62号の発明」「鉛の卵」もいいが、「棒」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」もおすすめ。
「人肉〜」は、ああ、不毛な会話というのはこういうのを言うのか、としみじみ痛感する。

気がついたら、ねじくれた世界に突入していて、表か裏かは、もうわからない。
これはシューリアリズムの文学です。
安部公房の変形譚といわれるシュールリアリズムの短編集です。初心者にも、馴染みすく、面白く読める作品群でしょう。ただし、あくまでも、真面目な純文学ですので、星新一のショートショートとは、まったく価値の違うものです。たとえば、人間が何かに変形するというのは、安部の作品においては、人間疎外をシュールリアリズムで表現しているという、深い意味を持ちます。「砂の女」「他人の顔」などの長編を解読する基礎になる作品群ですので、意味を考えながら読んでみて下さい。
秀作
勝手気ままな人間を風刺するかのような、短編集。
安部公房の、多種な文体が伺えました。とても興味深く、面白いです。
特に、死んだ娘が歌ったでは、なかなか鋭く繊維な描写が見られた。
お勧めします。
読後充足感のある傑作
 これは傑作な短編集だ。久しぶりに読んだけどこんなに毒が効いていて、痛快だとは思わなかった。星新一であれば、さらに文章を削いでショートショートに仕上げてしまうのだろうが、私には各短編の適度な分量が満足感を与えられて心地よかった。
なんて不安定な時代に生きているのだろう
 安部公房は時代の的確な記録者でありながら、優れた予言者でもあった。そう、歴史は繰り返す。人類は全く進歩していないのだから。
 「R62号の発明」「盲腸」には、リストラで人心が縮み込んでいる当世への厳しい警告書だ。その中での個人の卑小さが哀しい。そして前者のラストに震撼する経営者もいることだろう。
 「鉛の卵」ではラストに救われる気がするものの、それが本当に救いになるかどうかなんてわからない。
 成長か安定かぐらぐらしているこの不安定な時代。どうして人間はこうも同じ轍を踏んでしまうことに懲りないのだろうか。