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壁 (新潮文庫)
安部 公房
新潮社
価格(new/used):
460 円 /
1 円 より
発売日:
(1969-05)
アマゾン売上ランキング:
92721 位 文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0
/ 総数: 20件
わけわからん
芥川賞受賞作。短編が6つ収録されています。けど、これ難解なのね。自分は読んでもわけわからんかった。万年筆がしゃべるし(笑)
「S.カルマ氏の犯罪」は、朝起きると自分の名前が思い出せない。カフカの『変身』を思い出した。カルマ氏が病院に行って、自分の名前が思い出せず、次々と違う単語を言うくだりは爆笑。他にも言葉遊びをしているようなところがある。ちょっとしたギャグですな。これは。結末は、ジョジョ四部を思い出した。
「魔法のチョーク」は、チョークで書いたものが現実に現れる話。なんかウィングマンを思い出すな。ウィングマン読みたくなった。
ブラックボックス
安部公房の代表作の一つ「壁」は、第一部「S・カルマ氏の犯罪」、第二部「バベルの塔の狸」、そして第三部「赤い繭」からなる、あたかも交響曲を思わせる構成の作品である。シュールレアリスムや花田清輝らの「夜の会」、そして自らも接近したコンミュニズムと、安部公房の作品を取り巻く影響土壌は多様で、そんな安部公房の作り出す作品は複雑なブラックボックスのような構造を持っている。常識という名の壁を言語芸術という方法論によって押し広げ、芸術の定義を遥かに高次なものへと引き上げる傑作。
安部公房の入門書です。
『壁ーS.カルマ氏の犯罪』は安部文学の入門書であり、芥川賞受賞作です。作品のテーマは「アイデンティティの意味とその喪失(モラトリアム)」で「名刺」とは「社会的な自己」(---としての自己)、「名刺を見ている僕」が「本来的・本質的な自己」です。これが理解できないと、その後の安部作品を理解するのは不可能です。詳しく知りたい方には「モラトリアム人間論の時代」(小此木啓吾)を推薦します。「日本の古本屋」というホームページにて古書として購入可能だと思います。
安部作品全体に共通ですが、レビューを見ると、誤読されている方が目立ちますが、比喩の意味を良く考えて読むか、参考文献を読んで研究する事をお勧めします。そうすれば、必ずや感動ものです。
壁の壁
安部公房がナンセンスにこだわって書いたといわれる作品です。石川淳に褒められたというエピソードもどこかで見ました。
表題作エスカルマ氏の犯罪は実存主義に傾向していた安部公房にとって「存在の証明」というある種矛盾した課題に真正面から向き合った作品ではないでしょうか。
雑多なエピソードゆえに人間の存在不安が浮き彫りにされ、さいごに壁になることにより……、さて、何を意味するのか?
ひとつの疑問はなぜ純粋な存在を表すのに果てしない壁であったのかということです。壁の性質は遮るということですから、しかしサルトルの言葉もあるし、・・・・・・
わからないなあ。
多種多様な問題を喚起するが難しく考える必要はないのでは
最初にS・カルマ氏〜を読み始めたとき、作品成立当時における日本共産党の内部抗争の暗喩であるように感じてしまい嫌気が差して投げ出してしまった。その後再び挑戦したときには人工知能で問題になる記号着地の失敗を描いたものであるように感じた。
しかし現時点では、安部公房が操るメタファーはあくまでも意識上の明確な問題を扱うための道具であると思っていて、少なくとも深層心理学を初めとする無意識を扱う諸学の援用は不要だと考えている。それに、光差す明快なパラドクスこそ安部文学の魅力の一つではないだろうか(安部作品において非現実的な設定があってもそれはあくまでも意識上の問題や現実を明るく照らし出すためのものであって、無意識の世界を引き上げるためのものではない)。
だからわたしは壁を「人間や事物の(自由|存在)を阻害すると同時にそれらの(自由|存在)を完成せしめるもの」と簡単に考えている。宇多田ヒカルの「FOR YOU」にある「一人じゃ孤独を感じられない」のような分かりやすくかつ深みのある逆説と同種と考えてもいいのではないかと思っている。
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