沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文...

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沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 620 円 / 50 円 より
発売日: (2001-12) アマゾン売上ランキング: 5791 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 24件

国民航空は今日も飛ぶ
組合の元委員長、恩地元を主人公とする物語は、事実上アフリカ篇
で終わる。 御巣鷹山篇では悲惨な航空機墜落事故そのものが中心と
なり、会長室篇では新生国民航空に会長として就任した国見が主役と
なる。

この作品は、「取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である」
と作者自ら言っている。作品のモデルとなった人物が、御巣鷹山の墜落
事故に直接関わっていなかった等の批判もあるが、あくまでもこの作品は
小説であり、作者の創作であると判断したい。だって、こんな航空会社が
実際にあったら嫌だもんね。

ただ、御巣鷹山編では墜落事故の状況や、その後の補償交渉まで、非常
に生々しく綴られている。作者の緻密な取材が伺われるが、リアリティーが
豊かな分だけ、この作品がノンフィクションではないかと誤解されるのでは
ないだろうか。

会長室編のラストは、唐突に終わってしまった印象がある。
恩地や国見が聖人君子として描かれているのに対して、作品上の悪役
である行天四郎の方が妙に人間臭く、親しみをもてたりしてしまう。

魑魅魍魎にまみれた国民航空。しかし、国民航空は今日も飛ぶ。
国民の夢を乗せて。
執筆時間・取材に費やした時間が気になる
小説として読むと、胸を打たれるものは小さかったが、アメリカに取材にいき、ボーイングから取材を拒否されても
100冊以上の参考資料をもとに書き上げたドキュメンタリーとしては日本の文壇で真似のできる人物は
なかなかないように思う。。
ここで終わって行天は?総理は?裏金作りに関係した人間たちは?と読みたいところで終わるので
結末には過度な期待をしないよう読んでほしい。

アフリカをたらいまわしにされて東京に帰ってきたら叩かれて、
恩地が辞めないでいる理由などストーリーには突っ込みどころがありますが
裏金作りなどは、為替の先物取引の知識があれば面白く読める。
「大地の子」に感動した日航職員が筆者のインタビューを受けたという話も聞くし、
純文学出身でこういった長編ドキュメンタリーにとりくむのは難しいのかもしれない。

「国民航空」の広報について。
たとえ経営者が間違った道を選んでも、最後の良心を失わないのが広報マンであるが、
それを失った、いやもともとないのが行天。
地位を得て、家族との関係、愛人との関係がどうかわっていったか、行天の人生に注目して読んでいると
金と地位、女は男のエゴを一時的には満足させるが、心を豊かにするものではないのだなと思う。
行天という人物は誰をモデルにしたものなのか、どんな資料をみてもまったくわからないが。

85年の御巣鷹山墜落事故から20年以上を経過しても、斜陽の日本航空。
労務・財務の経営体質に問題はないのか、経営戦略をあやまっても、立ち返ることのできる風土はあるのか、
戒めにはなる書であろう。
政府と民間の癒着構造がなくならない限り、戒めにするもしないも政府と日航次第なのだが。
民間は役員の椅子を、政府は国会議事堂の椅子をめぐって、官民の癒着は現在も行われているのだろうなあと
想像すると、明るい気持ちにはならない。
どんなに良心を失っても戦い続ける、とうい勇気のある政治家・記者の方々には読んでほしい。

会長編は...
沈まぬ太陽、御巣鷹山編までは面白かったのですが、会長編からはどうも恩地の迂闊さ無能さ融通の利かなさが感じられ、これじゃー行天達には到底勝てないだろうと納得してしまいました。
会長も当事者意識に欠けてるような印象を受けました。
大なり小なりサラリーマン社会ではこのような現象は有りますが、「正義の為に時には妥協してでも貫く」という強さも必要だと思います。
小説としては興味深い、しかし…
日本航空に実在した小倉氏のエピソードとJAL123便の事故のエピソードを
組み合わせた、社会小説+経済小説の様な特殊な位置づけの小説である。

沈まぬ太陽で紹介されたエピソードはJASとの合併でますます混迷を深める
現在の日本航空の現状を考えれば、その背景を的確に描き出していると
言うことが出来ると思う。

その一方で、恩地氏の生き方にはどうしても共有できない部分がある。自身に
非がないとは言え、あそこまで盥回しにされるのであれば、家族のため、
自身のため転職するなり、筋を曲げるなり出来なかったのだろうか?。
「正しいことをしたければ偉くなれ」ではないが、なんとかならなかった
のだろうか?。

白い巨塔でも里見先生がその様な役回りだったのかもしれないが、彼が主人公
ではなく、清濁併せのむ財前先生との対比だから良かったが、今回は恩地氏が
絶対善的に描かれた分辛かったなぁという印象がある。

また、後半の国見会長は恩地氏との絡みで非常に好人物として描かれているが、
実際の伊藤会長は鐘紡の会長としてその地位に長く居座ったが故に名門企業
の事実上の破綻を招いた張本人でもあり、日本航空の件でも充分なリーダー
シップを発揮できなかった人物である。もちろん後に分かった事実ではあるが、
少し持ち上げすぎな気がする。

その意味で、非常に興味深い内容の小説ではあるが、感情移入しにくい印象
のある小説でもあった。
沈まぬ太陽
前半の1、2巻は「世界左遷物語」。

圧巻は3巻(御巣鷹山編)。

遺体確認、補償交渉など事故後の様々なことが
細かく書かれています。。再度、事故の悲惨さ
がわかる。

後半4、5巻は企業と労組、それを操り、利権に群がる
関連企業、役人、政治家のドロドロの話。会長に、
志の高い国見という人物を迎い入れるが・・・。

最後のこれ、ジーンと来た。。。。
『何一つ遮るもののないサバンナの地平線へ黄金の矢を放つ
 アフリカの大きな夕陽は、荘厳な光に満ちている。
 それは不毛の日々に在った人間の心を慈しみ、明日を約束する、
 沈まぬ太陽であった。』