仮面の告白 (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 460
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仮面の告白 (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 460 円 / 1 円 より
発売日: (1950-06) アマゾン売上ランキング: 9879 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 26件

とりあえず
点数の通り文句垂れようと思ったらいくらでも書けるんですが腹に抑えて断言できることだけ書きます。
1この小説で初めて三島作品を読むのは失敗の恐れ有。マニア以上向け。
2金閣寺と同列の作品でもなく、金閣寺に感銘を受けた人が次に読むべき作品でもない。
3この小説に挑んでやろうという人は合わせて筑摩書房さんの「私の遍歴時代」を買いましょう。「私の遍歴時代」抜きではこの作品を語れない。

参考までに個人的な三島作品の星数を。
金閣寺が星10、美しい星、音楽、その他エッセイが星5つ 
潮騒が4つ葉隠れ入門が3つ、文豪ナビは曇り空です。
三島作品の入門編として最適
日本語が美しい。内容が興味深いものなので、思ったより読める。これはノンフィクションなのかしら?気になるところである。
「素面」と「「仮面」の戦争
男色家であり、孤独を感じる「私」は男色であるという「素面」と、女色であるという「仮面」を使い分ける。それにより、他人を騙した、と言うより自分を騙したのである。本書は4章から構成されているが、騙し始める幼少期、しかし騙しきれない無意識の部分を発見する青年期、戦争という特殊な世界の中で繰り広げられる「素面」と「仮面」の相克期、そして両者の決定的な関係について気づく戦争後期という形容で分類することができる。

「仮面」を被ることで「素面」を隠す「私」はその「仮面」を隠しているという意識すら騙そうと図る。つまりそこで「素面」と「仮面」が決闘するのである。その取り決めの方法が園子への愛だった。「私」は園子を愛する。だが肉欲的に愛することがきない。そこで園子の身体に触れて確かめようとする。

「素面」と「仮面」との対峙は戦時期であった。戦争という非日常性は「仮面」を被ることを要求しない。今日も明日もないような実体のない世界の方こそむしろ「仮面」を被っているようである。そのような現実を離れた夢想の世界はある意味で「私」のユートピアだったのだろう。それゆえ「私」は人一倍死を怖れながら戦死を希求する。

とりわけ「虚構」と「死」をテーマにする作品の多い作者であるが、本書は作者の文学の出発点と謳われるほどに「私」の中でその構想が浄化されていく様を窺うことができる。作者の感受性と論理性に驚かされることは多いが、それらを紐解く上でも欠くことのできないものである。
三島文学に慣れてきたら・・・
テレビの紹介で知り、軽い気持ちで買ってみました。家に着き、さっそく読んでみようとページを捲ったあの時の衝撃。今でも忘れられません。「・・・読めねぇぇぇ!」見た事もない漢字ばかりです。書いてある事も半分わかりません。すぐに挫折。24歳でこの文章、ちなみに私も24。何が違うのかな・・・全部か・・・ですが、文豪ナビという本を知り、著者の人生、お奨めの小説を買っていき、もう一度この本に挑戦しました。わかりにくい部分もありましたが、理解した時、改めてこの小説と著者の感性に圧倒されました。ぜひ、三島の小説を読みたいと思う人は、この本から読まない事をお奨めします。
思ったよりもすごい
 思ったよりもすごい話だった。この半自伝的な小説にメタ的な手法を用いた技巧。
 おまけに同性愛として女性を愛せない主人公、(倒錯的に)思いを寄せている女性と婚約しかけておきながら、その女性の真っ当さに嫉妬するという、なんじゃそりゃ!的展開。初めの頃は少しだけ読みづらかったが、後半からはかなりおもしろくなる。
 メタ的観点から考えれば、主人公の仮面とはなんなんだろう。仮面をかぶっている自分を素顔として受け入れてしまえばそれは楽なんだろうけれど、なかなかうまくいかない。でも、仮面をかぶった自分を素顔としながらまた仮面をかぶっちゃったらどうするんでしょうか。
 ひりつくような倒錯感とサディズムが融和したちょっと怪しげな小説。