羅生門・鼻 (新潮文庫)

- 新潮社 価格 ¥ 380
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羅生門・鼻 (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): 380 円 / 1 円 より
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 24件

例えるなら大喜利のお題集、ってのはどうかな?
これを面白くない、という人は正直者だと思います。
これが面白いって人は確っ実に少数派のはずです。
断言出来る。だから日々いらついているのです。このようのものでなくニセモノが売れていることに。
そうだな、例えるなら、2ページのうち1ページは白紙の本、ってのはどうだ?
白紙は読み手が想像力で埋めるんだ。
または、ものすごく上手い、大喜利のお題集。
僕は、蕎麦やら、寿司やらの、シンプルながら奥の深い味の世界のことは、さっぱり分かりませんが、この本も、そんな感じなんじゃないかな。
シンプル過ぎて普通の人が読んでも、味気ない。
しかし読む人が読むと、なんて絶妙なんだと、気がつく。
体のどこかが痒い、しかしそれがどこだかわかんない、そんな、もどかしさ。
永遠に答えのでない、もどかしいもの、を表現している。
これ以上分解できない、原子を。
この問題集は、何回でも解いて遊ぶことが出来て、飽きることがない。
安定した作品
読書感想文で読まされる作家としても有名ですが
作品の余韻というかすっきりしない後味というか
その辺の所は、実にすばらいいですね。
小さな子供の頃に出会えてよかったと思います

芥川論といえば、芥川の作品の何倍も書かれており
いまさら、どうこう言う事もできないわけですが
名文で、ユーモアもあり、読みやすく、深読みもできる。
芥川はやはり、すばらしい短編小説家ですね。
古典のすばらしさ
古典作品に触れると、どれだけ深い解釈ができるか、どれだけ文章や構造を多義的に読み込めるか、によって自分の読書力(いやむしろ人間力と言ってもよい)がはっきりと示されてしまいます。
特に芥川龍之介のような短編作品だと、ますますその傾向は強いですよね。

少なくとも学生時代に読むよりは、人生の酸いも甘いも味わった(?)大人の方がはるかに楽しめると思います。
ってか、この複雑な感情の変化や心理の揺れなどは、そもそも人生経験の浅い中学生なんかにわかるわけがない、と思うのですがいかがでしょう。
(いや、逆にこういう本をたくさん読むことで、疑似人生経験をたくさん積んだとも言えるでしょうが)

こういう古典作品は定期的に読み返して、その都度深まる味わいを楽しみたいものです。
芥川の出世作
芥川はデビュー作「鼻」の成功によって文壇入りした。「鼻」は漱石に激賞された事でも有名で、これで芥川も自信が付いたと本人も言っている。

また、紛らわしいが、黒澤監督の映画「羅生門」の原作となったのは「藪の中」という作品。「羅生門」は別の主題を持った別の作品。いずれも主題こそ異なれ、人間心理の綾や闇を扱ったものである。芥川が「今昔物語」を素材にして、それを理知的に再構成した事は有名だが、その構成力と人間観察眼の確かさは素晴らしいものだ。

余談だが、「鼻」を初めとする「今昔物語」の逸話には「仁和寺の法師」が良く出て来る。作者不明の「今昔物語」だが、仁和寺の関係者だったのだろうか。芥川の作品を読む事によって、「今昔物語」への興味も湧いてくる。そんな魅力を持った短編集である。
カミソリの煌き
 芥川龍之介の 王朝物。

 芥川賞という文学賞は純文学の最高峰であるわけだが 確かに 芥川の王朝物を読むと 芥川の名前を賞に使いたくなることが良く分かる。

 この本に納められた短編を読んでいると 芥川が若くして 途方も無いほどの才気を持っていたことが分かる。かの夏目漱石にしても 一読驚嘆したというが それも当然かもしれない。
 漢籍への圧倒的な知識を基に 駆使される日本語の美しさには目を見張る。村上春樹が ビジュアルに美しい漢字を使っていると評していたが それも もっともな指摘だと思う。

 そんなカミソリのような才が 結局芥川自身を切りきざんで行ってしまったのも 日本文学の歴史である。
 但し 本書には まだそんな陰鬱さは無い。芥川が その才気を駆使した 稀に見るほど美しい短編集である。