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こころ (新潮文庫) |
| - 新潮社 価格 ¥ 380 | |
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こころ (新潮文庫)新潮社 価格(new/used): 380 円 / 1 円 より 発売日: (1952-02) アマゾン売上ランキング: 1382 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 114件 きっと100年後の人間にも伝わるだろうこころ「お札の人」と思わずに、著者を伏せてでも読んで頂きたい本です。自分を顧みずに、他人の良いところにばかり目がいってしまう青春時代。若さゆえにか、自分の欲望を押さえられない狡さが、私にはよく分かります。そして、年月を経て、ようやく過去と向き合った時に押し寄せる罪悪感、人生の空しさと悲しみ、抱え込むしかない孤独感。先生は、こころに広がっていく黒い染みをどうにか払拭したかったのかもしれません。若い主人公に打ち明けた真実をもって、許しを請い、長い苦しみから解放されたかったのかもしれませんね。あなたは親友と同じ人を好きになったら、どうしますか?きっと恋する人間への永遠の課題です。 「文学」の醍醐味を教えてくれた重層的構図単に三角関係の末に男達が自殺する話として記憶されていることが多いかもしれないが、実はかなり早い段階で「先生」が早晩自殺することが予言されており、なぜ「先生」は自殺しなくてはならないのかという人間心理(こころ)を謎解く構成になっているので、非常に読みやすい。 しかし、この小説が本当に面白いのは、先生の自殺のきっかけが明治天皇崩御と乃木大将の後追い自殺となっており、「明治精神に旬ずる」ためと設定されたことであろう。ここからこの作品は一気に様々な読み方が可能になるのであるが、例えば普遍性を持たせるために第一部「私」(学生)の田舎ははっきりしない一方で、最初に自殺したKの田舎は西南戦争のあった鹿児島と特定されている。こういった幾つかの指標から、例えば、西洋(新しい世界の象徴としてのお嬢さん)と東洋(古い日本の精神性を象徴したK)に分裂した明治日本(帝大出の文化人である先生)の神経症と破滅を扱ったストーリーともこの作品を読むことが可能となる。(ちなみに乃木大将は西南戦争で旗を無くしたことを煩悶の原因に挙げて切腹したと劇中で述べられる。侍退治の内戦を戦った彼は、矛盾したことに侍の自決法を選択したのだった。この矛盾に漱石は近代化しきれない「明治精神(=明治のこころ)」を見たのであろう。) もちろん、このような読み方以外にも様々な読み方をこの作品は可能なのだが、幾つかの図式を重層的に重ね合わせて優れた文学は作られているし、またそう読みうるのだということを予備校時代の僕に教えてくれた作品。結果的に、僕がその後の人生で文学に親しむきっかけになった作品だといえるだろう。 今でも、この作品は高校の教科書に載っているのだろうか?載っていないのだとしたら、若い子達はなんて可哀想なんだろう。 長編小説なんでねえ・・・つまらなかったらレビューなんか書かないですよ。というより最後まで読まない ですよ。波乱万丈の物語じゃないですけど、変なクセがなくて、さらりと読めるんです。 そういういい文章を読むというだけでも価値があるんじゃないかな、と。情景の書き方 がいいです。漱石は俳句や漢詩もやってたからでしょうね。明治の鎌倉や東京の様子が いいかんじで描写されます。そこに行ってみたいと思わせるほどです。地味ですけど なかなか良いです 人間の中身こころを初めて読んだのは15,6の頃でしたが、今改めて先生の遺書の部分だけを読み返して、「あぁ、そうか」と思いました。 先生が何故死ぬのか、それがしみじみと先生の書いた遺書から伝わってくるのです。 自分が何故死ぬのか、簡単に説明することのできる人もいるかもしれませんが、先生にはあれ程の長さの文章の全てを持ってしか、表しようが無かったのでしょう。 生きられなくなったから死ぬ。 人間はやっぱり、過程なのだと思います。 そしてその過程の密度を求める時、こういう小説があるというのは有難い事だなと思いました。 いまさらレビュー小説を語るにあたって漱石を読んでいなければ始まらない。特に「こころ」「それから」「行人」は是非読んでおきたい作品である。近代日本を代表する知識人として、現代日本へと通じる人間の孤独という普遍的なテーマを追い続けた漱石に、我々は時を超えて魂を揺すぶられ続ける。人生について、友について、愛情、友情、そして人間とは何かについて、我々はここまで深刻に真剣に考えたことが何度あっただろうか。生きる時、死ぬ時、苦しい時、悲しい時、もう一度「こころ」に出会ってみたい。 |