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雪国 (新潮文庫 (か-1-1)) |
| - 新潮社 価格 ¥ 380 | |
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雪国 (新潮文庫 (か-1-1))新潮社 価格(new/used): 380 円 / 1 円 より 発売日: (1986-07) アマゾン売上ランキング: 5975 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 32件 「雪国」エロス幻想おもしろかった。「山の音」が最高傑作なら「雪国」はエンターテインメントの最高傑作だ。「山の音」を映画化すればまかり間違えばただのホームドラマになってしまいそうだが、「雪国」は映画化しても成功するだろう作品である。 びっしりと濃密な象徴的表現が書き込まれて読み進むのに難儀した。また味わった。それを支えたのがストーリーのおもしろさである。温泉地の芸者駒子というエネルギッシュなキャラクターはどんどん話を進めて読者を圧倒する。 島村と駒子との間に随所で成立している性的関係の表現を省略することによって逆説的に高められる官能的イメージ。直裁な愛情の爆裂を意図的にカットすることによって読者を迷わすことなくコースを導いていく。わかりました。ノーベル文学賞候補には始め谷崎潤一郎が挙げられていた。この谷崎を法然とするなら、川端こそ親鸞なのである。そしてやはり賞を逃した三島由紀夫は蓮如といえよう。エロス本願の大河は迸る愛欲の一滴一滴の集合なのだが、凡百の官能小説がこれでもかと過激な表現によってエロス浄土に導かれるものであるなら、ましてそれが隠されているものならかえって求めたくなるもので、読者は間違いなくエロスの浄土に導かれるというわけである。 小説とはストーリーの展開のみを追うのではなく、文章自体をも味わうのだということ、エロスの美を味わうことができた。 川端康成の死生観と美感を表現した日本文学府立高校時代に読んだ「古都」に感動して以来、約20年振りに氏の本を読みました。15歳までに両親、祖父母、姉を亡くし、書簡を交わし合った三島自殺の2年後の昭和47年にガス自殺した享年72歳の著者の当時抱いていた死生観と美の感覚が如実に表現されていると感じました。 村上春樹氏は「人生というのは負けるに決まっているゲームを闘っているようなものです」と読者に答えましたが、 学識があり無為徒食で裕福な暮らしを続ける家族持ちの島村、島村と同じ雪国への列車に乗り合わせた美しく透徹な陰を持つ娘の葉子、彼女が懸命に看病する重病らしき男、彼女らと同じ雪国の町に住み島村を待ちわびる芸者の駒子、この4人もまたそのような世界に生きます。 彼らの生は死を、それは肉体だけでなく心の死を内包し、健気に純粋にそして一途に芸者としてその範疇の中で生きる駒子と彼女を取り巻く島村、葉子、病の男の生き様が、儚く、虚しく、慎ましく、時に退廃的に、また一瞬の美の煌きと生への野心、そして死・別れの翳を伴って描かれます。 ノーベル文学賞を受賞した本書の価値を私では上手く表現できませんが、負けるに決まっている人の人生が持つ意味、或は人生そのものを、川端は自身の死生観と美感を持って描こうとしたのではないでしょうか。 私自身もっと人生を経れば本書の持つ深みにより近づける気がします。読後感はその人の年齢や人生経験により大きく異なるでしょうが、一読に値する深みのある日本文学です。 蛇足ですが、この「雪国」が、芥川賞を受賞した川上未映子氏の137回芥川賞候補作の主人公(=恐らくは著者の分身)の大切な思い出として描かれたことに、時空を超えた日本文学の不思議な巡り合せを感じました。 男と女が乳繰り合ってるだけなのに…この作品、ハッキリ言って小説の体を成していない。話はただひたすら漠然と進行し、明確なストーリーは一切無く、単に男と女が乳繰り合ってるだけである。 なのにこの深い感銘は何なのだろう。冬の清涼な空気と風景が驚くほど鮮明に感じられ、取り巻く人々は、異様な現実感を持って主人公の周りの世界を織り成す。冒頭のガラス窓越しに気になる女を眺め続けるシーンなど、まるで自分が実際にそうしているかのようだ。 思うにこの作品は小説と言うよりは絵画に近いのだと思う。川端康成が心に描き出したヴィジョンは、繊細極まる文章表現を通じて、読者の脳内に鮮烈に再現されるのだ。作者と読者が同じ心象を共有していることを、これ程深く感じられる作品は他にないのではないか。 美的視力にうっとり川端康成って人は、美に対する視力がずば抜けて優れていた人なんだなぁ。現代の作家の書く、ある意味至れり尽くせりな小説と違い、本書はただ漫然と読んでいるだけではなかなか場面が浮かばない。例えるなら、あるシチュエーションに置かれたテープレコーダーが捉えた、会話と物音だけのテープを聞かされているような感じ。脈絡のない、それだけにリアルな会話と、一見何気ない仕草。そこから匂い立つ大人の男女の気配。主人公・島村の目に映る、儚く移ろい往くが故の美の姿。ラストの天の川をバックに立ちのぼる炎のシーンは、静かな戦慄すら覚える。 わからない正直何がおもしろいのか理解出来なかった。全体的に退屈だった。 |