車輪の下 (集英社文庫)

Hermann Hesse - 集英社 価格 ¥ 350
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車輪の下 (集英社文庫)

Hermann Hesse
集英社

価格(new/used): 350 円 / 1 円 より
発売日: (1992-01) アマゾン売上ランキング: 61252 位
文庫 / 在庫あり。
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 9件

100年前のドイツの「お受験」
100年前のいわゆる「お受験」をテーマにした話です。
期待を込めて育てられたハンスが、期待を裏切らないために努力をするのですが、そのような動機が長続きするわけもなく・・・。
小学校や中学校で秀才だったのに、その後落ちこぼれていくような人に、誰もが心当たりあると思います。いつの時代も変わりません。
当時のドイツの風景が細かく書かれているので、その辺りも楽しめると思います。
ただ、この本、300ページありますが、最後の50ページくらいは解説なので、まだあると思っていたら突然物語が終了して焦ります。
現代にも通ずる問題を晒した良書
皆から優等生と言われ、家族のみならず町の期待を背負い、期待に応えるべく努力してきた少年ハンス。純粋の塊であった少年が挫折、失望、戸惑いの中で現実を目の当たりにし、新しい世界に身を置く決意をした矢先の、結末。
200ページあまりの中に様々なエッセンスがつまっていて、切なく悲しい、そして考えさせられるストーリー。おすすめです。
ヘッセの半私小説(前期の代表作)
著者のヘルマン・ヘッセはドイツの作家で
1946年にノーベル文学賞を受賞しています。
この「車輪の下」(1906年)は彼の前期の作品の代表作ではないでしょうか。
ヘッセ自身も神学校に入りながら、
詩人になる夢を捨てられず途中で抜け出しています。
そういう意味で、「半私小説」と言ってもいいと思います。

彼の前期作品の特徴である牧歌的な描写も豊富なのですが、
それ以上に感じたことは、主人公・少年ハンスの実に純粋な
ものの見方・感じ方が実に完璧に表現されているところです。
「自分も昔、こんな気持を抱いた事があるなぁ」と
読んでいて何度もノスタルジーを感じました。

ヘッセがなぜ、自分の分身であるはずの「元神学生」の話を
悲劇として終わらせたのかは分かりません。
ただ、ひたすら詰め込みの勉強をしてきたハンスが
神学校やその後の生活でいろいろな人に会い、
そしていろいろな経験を通して、勉強では得ることのできない
「人生の難しさゆえのすばらしさ」を学んで行くところなどは、
痛快でさえありました。
しかしながら、そのような「すばらしさ」を理解したとしても、
社会の中で生きていくのは難しい、
というのがヘッセのメッセージだったのでしょうか?

是非とも読んでヘッセのメッセージをお考え下さい。

貧乏人は一生貧乏人なのかな
私が思うに、この作品の言わんとすることはドストエフスキーの『罪と罰』と変わらないように思えます。どんなに既存の教育システムで秀才だったとしても、貧乏人の子供は結局社会に出て苦労するだけなんですよね。

私は開成と早稲田を出て長いこと家庭教師をやってましたが、時給の関係上、お金持ちの家が多く、このことを強く感じました。

そうそう、金持ちの子供は英単語やら因数分解やらが苦手でも、大人になったら高い給料をもらい、綺麗な奥さんをもらい、大きな家に住むんですよ。

一方で貧乏人が高尚な教育を受け、漱石の小説とかベートーベンの音楽とかに心から感動できる感受性を手にしても、それは日々の労働で疲弊し枯渇しちゃうんですよね、悲しいことに……。そして金持ちのドラ息子がカッコイイ車にいい女を乗せてるのを見てガックリくる、というわけです。

マルティン・ルターは「酒と女と歌を愛さない奴は一生バカのまんま」と言ったらしいですが、それもこの小説を読めば確かにそうだなあという気がしてきます。勉強だけして大人になってる人も多いですが、そういう人が壁にぶち当たった時に、とにかく一度読んでみることをお勧めします。
批判小説
この物語では子供の立身出世だけしか考えない親と子供の心に無理解で詰め込み教育を行う教師達を痛烈に批判している。
主人公ハンス・ギーベンラートは才能ある前途有望な少年であったが、家が貧乏。そのため神学校に進むが、友人との友情のため成績が下がり、学校に見限られ、やがて死体として川の中で……


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