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水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き ... |
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水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き 3-58) (集英社文庫 き 3-58)集英社 価格(new/used): 630 円 / 259 円 より 発売日: (2007-12-14) アマゾン売上ランキング: 19984 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 4件 梁山泊軍の薄氷の勝利!二十万を超える官軍との激戦でじわじわと追い詰められていた梁山泊軍が一発逆転の北京大名府占領により官軍を撤退へと追い込むという、まさに薄氷を踏むような勝利。 読んでいてもあっけにとられるような早業で、真夜中まで読み続けてしまいました。 巻の後半では、まさかの扈三娘と王英の結婚というおまけもついて、読み応え満点です。 那須与一的花栄もうだめです。限界です。 悲鳴を上げるまさに寸前。 風前のともし火の各塞。 梁山泊の新任軍師宣賛は、 ゲリラチックに宋の喉もとに刃を突きつける 賭けにでる。 功を奏して、なんとか宋軍の撤退を引き出すことに 成功した。 ひとつの山を越えた感さえ漂う折戟の章。 物語の熱さに自分たちを省みる北方水滸伝、文庫最新刊です。 全19巻のうちの15巻です。前作から始まっていた宋の主力二十数万の軍勢対梁山泊の戦いが今回も厳しい戦況の中続きます。数にして十倍以上の敵を多方面で同時展開され、物量作戦に押しつぶされそうになる梁山泊の起死回生の賭けが成立するか否かが今回の巻の最大のポイントになります。 いくら英傑豪傑が揃う梁山泊といっても(そして立ち上がった民がいかに志が高くても)、相手は二十数万の正規軍。しかも国というものを背負い、豊富な補給を受けた軍隊が相手ですから、数カ所の拠点に籠る梁山泊もじりじりと押されていきます。十全の準備も罠も徐々に薄皮を剥ぐように剥がされていき、兵が日一日と損耗していきます。その中で隊長格、副隊長格のメンバーも命を失っていきます。どこかの巻のレビューでも書きましたが、この北方水滸伝では原作と違って、梁山泊のメンバーが次々と命を落としていきます。原作では死なないメンバーがどんどんと命を落としていきます。それぞれが信じる未来、志の為に命を落としていきます。読んでいて悲しくなるくらい、そして恐ろしいことに読んでいるほうがそれが当たり前のように感じるくらい死んでいきます ある意味、本当の戦争でもこれが一番怖いことなのかも知れませんが、人があまりにたくさん死に続けるとそれが中心人物であってもなくても、ただただ戦いだけが生き物のように継続の意志を持ちはじめ、生け贄を求めるようにより多くの血が流れ、当事者はそれを当たり前のように受け入れてしまうのかも知れません。この巻でも片手にあまるほどの梁山泊のメンバーが死んでゆきました。 そして、そういう犠牲の中で、梁山泊は起死回生の博打のような一手を打ちます。そうでもしなければ押しつぶされる事が確定してしまうような戦況だったからですが、果たしてそれが成功するのかいなか、どんな策なのかは読んでのお楽しみです。 さて、この物語を読んで毎巻思うのは、この物語の中の登場人物がみんな「熱い」ということです。 末端から宰相まですべての役人が腐敗しており、民がひたすら犠牲になる。道理が通らず、要領のいい人間だけが得をする。お金をたくさん持っている人間は人並み以上の暮らしをやすやすと維持し、持たざるものは毎日苦しみながら生活していてもそれでも生活は全く安定しない。働けど働けど搾取される。しかも、官僚はお互いをかばいあい、そのツケが誰かにまわされる。人の命が極端に軽く扱われる。まるで、今の日本そのものです。そう考えると、我々は本当は持つべき「怒り」や「熱さ」というものをどこかに置き忘れてきてしまったんじゃないか、ただただ今食べるものに本当に困窮していないだけ着るものもないところまではなっていないというだけで飼いならされていて、本当はひどい国に住んでいるのに何もせずにただ傍観しているだけなんじゃないのか。そんなことを今回は改めて強く思う巻でした。 北方先生 反則です。来る来るとわかっていても涙がこみ上げてくる。 泣かそうとして書いてるに違いないとわかるのにやっぱり泣ける。 それほど涙腺が緩い方ではないと自分では思っているのだが。 日本の文学史上、最も大量におやじの涙を流させた作品なのではないかと思ってしまう。 本巻も泣き所はたくさん。 負傷から完全に回復しきらず、鬱々とする単廷珪を叩きのめす林冲。 それを見守る索超、史進。 瀕死の重傷を負いながら、花栄の強弓を「すげえものを見た」と感嘆する欧鵬。 楽和の最後の歌に鉄笛で伴奏する馬麟。 北方先生に「俺の水滸伝は死ぬんだよ」と聞かされていながら、雄雄しく死んでいく漢(おとこ)たちの姿に、心を震わせずにはいられない。 ほぼ全軍を出動させて、官軍との総力戦となった前巻から、まあこれでもかと主要な人物が亡くなること。それも皆、力の限り生ききって。 この上もなく純粋な目的で結ばれた同志たちに見送られながら。 オリジナルの水滸伝から言えば間違いなく反則だと思うのだが、やはり読まずにはいられない。 |