水滸伝 11 (11) 天地の章 (集...

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水滸伝 11 (11) 天地の章 (集英社文庫 き 3-54) (集英社文庫 き 3-54)


集英社

価格(new/used): 630 円 / 245 円 より
発売日: (2007-08-21) アマゾン売上ランキング: 18283 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 6件

梁山泊軍の希望の象徴
梁山泊軍の希望の象徴である晁蓋がこの世を去ります。
晁蓋が死にゆく様を描写した最後の一文が心にしみます。
天地動転
呼延灼を迎え、安定感の増した梁山泊。
ソフトもハードも少しづつ充実してゆきます。

だが、宋軍も手をこまねいてばかりはいられない。
煮え湯を飲まされることが多い宋軍も
ここが踏ん張り時。
巨星を落とすことで一矢報いる。

読み応え十分、
天地も動転する11巻。
燃え上がる恋情
前巻の韓滔、この巻の樊瑞・杜興・楽和など味わい深い人物が
多く出てきて、話の深みが増しています。
扈三娘の恋人候補に三人めが出現。揺れる恋心。
色恋沙汰もいよいよヒートアップです。
宣賛が結婚したという話には、原作では奥さんが自殺しているだけに
「大丈夫なんだろうか?」と不安になるのですが…。
岡崎由美氏の解説は非常に冷静で適確で、これだけで星5つの価値がありますね。
悪いことは言いません。読んでおきましょう。
全19巻の大河ストーリーも折り返し、11巻になりました。

前巻で、呼延灼軍によって初めて本格的な敗戦を経験した梁山泊軍。
本巻はおそらくこのストーリーのターニングポイントになる巻だと思います。

10巻までは、志に導かれて人が集まり、対宋軍との戦略に基づき組織が編成され、インフラが整備されという、上り調子のストーリーでした。
それは呼延灼軍による敗戦でも変化しなかったのですが。

本巻の展開はあまりにも大きい。

おそらく今後は宋軍との、血で血を洗う凄惨な戦いが本格化していくのでしょう。
これまでのような高揚感だけで読み進めていくことは難しくなるのだと思います。

それにしても、本巻で大活躍(?)する「天才ヒットマン」史文恭をはじめとして、北方水滸伝の敵役はかっこいいですね。
かっこいいは妥当じゃないでしょうか。どういったらいいのかキャラクターが立っていると言うべきなのか。
読者からしてみれば宋軍はダークサイドなんですが、職人的な有能さや、情け容赦のなさなんて、読んでいて本当にぞくぞくします。
もちろん超情けない奴も出てきますが、今度はその情けなさ加減が半端じゃなくて。
敵役の描写もものすごく精緻ですが、くどさは感じません。

やっぱり北方さんはハードボイルド作家なんですね。
たまたま題材が水滸伝であったというだけで。
味方も敵役も、それぞれかっこいい生き方を体現している気がします。
敵役のつまらないハードボイルドってホントつまんないですもんね。
梁山泊最大の危機
 別でも書いたんですが、日本の政治はもうかなりぼろぼろです。どうにも未来の展望とか理想がまったくありません。そして、このおおもとのところで国というものについてもう誰も日本では真剣に論じたり熱くなったりしなくなってしまったのも原因の一つかなと思ったりします。もちろん、学生運動やらなにやらで人死にが出ていた時代やテロなんてもっとのほかだとは思いますが、ああいう国を思う熱さにも、国を助ける一部の真実や熱意はあったんじゃないかなと思ったりもします。もちろん現代においては、あくまでも平和的にという範囲でですが。
 そんなことを思わせる背景に、最近読んだこの本があるかも知れません。
 北方版の水滸伝11巻、天地の章です。

 この巻では、宋を相手に内乱を起こしている梁山泊の二大首領の宋江と晁蓋の、梁山泊の今後の方針での対立が深刻化していきます。三万人の叛徒が揃った段階で、宋に対して、全国的な反乱の狼煙をあげていくべきだという晁蓋と、最低十万人の組織になってからにすべきだという宋江との対立は、部下に派閥を作らせないように二人だけでの対立ですが、組織の今後ということを考えれば大きな岐路となります。組織が急激にふくれあがる中で、いまの王朝を倒して民のための国を作るというところでは完全な同志でありながら対立する二人の首領。
 言い合いにもうんざりした晁蓋は、作戦のためということで北の支配地に出て行きますが、そこで思わぬことが起こるというのが今回の大筋。この一巻で物語は大きく動きます。夢を夢とせずに起った二人が巻き込んでの国をも倒す戦いにはじめて深刻な危機が襲います。百数十万の兵士を擁する絶対的な封建社会の宋という国に反乱を起こした二人の行く末は。
 男たちがひたすら熱い北方水滸伝の十一巻、激変の天地の章です。