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大人の時間はなぜ短いのか (集英社新書 460G) (集英社新書)集英社 価格(new/used): 735 円 / 599 円 より 発売日: (2008-09-17) アマゾン売上ランキング: 6285 位 新書 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 4件 時間とは結局、個々人の頭の中にしか無いのだろうか幾多の偉人が頭を悩ませてきた難題である「時間」に関し、様々な面からアプローチを試みる書籍。 結局のところ時間とはどこに存在し、どう確認できるものなのかについて本書でも答えは出ていないが、 古今にて提唱された様々な時間論、また、人間の感覚に関する説が紹介されており、それらが抜群に面白い。 一見それぞれ分野が異なるように思える、錯視、神経反応の速度差、過去〜現代の生活速度の変化などを説明しながら 「人間の感覚とはいかなるものか」を各々解き明かし、結局は時間感覚についての考察へと収束させている。 また、人間は動くものなら何でもエサと判断して飛びつく“カエルの感覚”を見て嘲笑し、 人間自身の曖昧な感覚(錯視など)を見て「人間なんて適当なもんだ」と苦笑するが、 {それらはその生物種全体に共通し固有なものである以上、進化において獲得してきた優秀な仕組み} とする筆者の論には強く納得をさせられた。 あるのかないのかも分からない「時間」それ自身を命題として論ずるのでなく、「人間が感じる時間」について幅広く論じているから、 飽きることなくスイスイと読み進められ、読了して気付いてみれば人間の感覚、そして時間論に関する様々な考えが頭に入っている。 時間に関する書籍としても、人間を解き明かす書籍としても、大変面白くぜひオススメしたい書籍だ。 結局のところ、解はないのだが時間に関して、哲学的、物理的、生物学的、心理学的・・なアプローチを試みている本です。 特に錯視に関する詳細な記述は、人間の感覚というもののいい加減さを理解するのに面白く読めました。 でも時間の感じ方の違いについて、断片的な検証はあるけれど、決定的なものはないということが分かりました。 なぜ短くならないのかをかんがえるのもおもしろいとしをとると時間がみじかく感じられるようになるといわれている.この本はその理由をおもに心理学的にあきらかにしようとしている.代謝,感情,注意,その他さまざまな要因が説明されている.私自身はとしをとって時間がみじかくなったとはおもっていないので,なぜそれらの要因があてはまらないのかをかんがえながらよむのがおもしろかった. 熟練審判でも、オフサイドの誤審をしてしまうことがあるユクスキュルは、動物は、物理学でいう一つの世界ではなく、各種に特有の知覚世界と作用世界に生きており、種なりの環世界を作って生きていると洞察しました。誰にでも同一である客観的な時空の知覚世界。それとはズレている知覚世界に生きている各生物種。このズレの問題を、生物でも特に人間種、知覚世界の範疇でも特に時間に絞り、人特有の時間知覚のズレとその原因を、現在まで判っている認知心理学の成果を使って、やさしく説いています。最終章には、時間がどう変質して、我々は時間に追いまくられる生活に陥ってしまったのか。人間として生きられる時間をどう回復すればいいのか。現代社会論にまで言及しています。 私達の体験と物理的刺激とのズレの例証として、錯覚現象が取り上げられています。空間に関する錯視や運動錯視。知覚相の間でも処理速度に違いがあり、統合判断の錯覚があるようです。時間にも、様々な錯覚があり、我々の体験の時間的特長や制約が理解されてきているそうです。運動錯視の図は、カラー版の本には及びませんが、形状錯視や幾何学錯視など、丁寧に説明されています。時間錯覚では、線運動錯視やフラッシュラグ効果などを、連続頁を使って、読者が実際に知覚できる工夫がされています。 錯覚現象は、人に共通で、知っていても防げないそうです。我々は、事前に2重であることを弁えて、行動するのが、賢い対応のようです。一見お遊びに見えますが、今後人間理解の重要な部分を占めてくるように思われます。素朴・自然・批判的・理念的などという存在論の区分けの根を、掘り起こす可能性。時計の時間とは違う、人固有の「今」や「歴史」意識と、この不思議な現象との関わりなど。人の深い部分へのベクトルがありそうです。 |