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イカの哲学 (集英社新書 0430) |
| - 集英社 価格 ¥ 714 | |
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イカの哲学 (集英社新書 0430)集英社 価格(new/used): 714 円 / 500 円 より 発売日: (2008-02-15) アマゾン売上ランキング: 9979 位 新書 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 12件 他の生物に”配慮”ができるのが人類中沢さんの書かれたものは、いつも、"トンデモ”と表裏一体の香りが漂うんだけど、 それでも、なぜか、嫌いにはなれない。 本書も、意地悪に叩き斬ることもできそうだが、 社会の閉塞感に過敏で、世界平和や、自然との共生を願う人たちには、気にいられるんだろうな。 「芸」であることを、どこか頭の隅に置きつつ、 生命の豊穣さとか、人類の智慧とか、そんなことを夢を見させてくれた1冊だ。 イカ工場で働いた波多野さんが辿り着いたのは、他の生命への気遣いができる自分(というスゴさ)の発見だった。 そんなことといえば、そんなことなんだけど、環境問題にしろ、民族紛争にしろ、 自分のクビを自分で絞めて、うまく立ち回れないでいるのも、人類だ。 この、すがすがしい共著を読みつつ、地球を”うまく回す”ことへの共通理解が、 早く、広く、世界の人類で共有できればいいのにな、と願わずにはいられなかった。 波多野一郎の生涯に、限りない重さを感じる。早逝した哲学者、波多野一郎が残した著作「イカの哲学」に中沢新一が解説を加えたもの。 第二次世界大戦を戦闘機乗りとして戦い、特攻前夜ソ連の侵入によって生き延びた波多野は、 さらにシベリア抑留という経験を経てアメリカに留学生として渡る。 豊かで自由な国アメリカで西海岸の温暖な気候の中での生活は波多野に何を与えたのか。 一時は死を覚悟し、極限状態を経験した波多野にとってのアメリカは、しかし、自由と歓楽を 享受するべき国ではなかった。 イカの水あげに我が身を重ね個の実存と人生の意義について考察する。 言わば死と共存した波多野ならではの感覚であろう。 中沢氏の解説は、読者の気に入ったところだけとれば、よろしい。 中沢平和論のはじめの一歩「たいていの戦争論・平和論は、人間のつくる社会や国家や法律や経済のレベルで語られることが多」いなか、 「戦争と平和を生命の深部にセットされている可能性として認め」ること。 本書では、そのような深いところに降り立つことで 新たな、そして、根本的な平和論を構築しようとしている試みである。 戦争を排除すべき「悪」として扱うのではなく、 人間性に深く根ざした行為、だということを認めること。 世界で起こっていることを見渡すと、 そのように認めた方が現実とあっており、 本書の言い分は十分に説得力のあるものだと思う。 また、本書で展開される平和論は、至って単純であり、 以下の公式で、すべてが表現できてしまう程である。 エロティシズム態((超平和、平和)、(超戦争、戦争))←→平常態(平和) この単純さこそ、この平和論に普遍性を与え、 また、簡単には揺るがない強固なものにしてくれる筈である。 まだ、これは中沢平和論のはじめの一歩である。 ぜひ、多くの議論、批判がおこって欲しい。 そして、この平和論を鍛え上げ、 次の世代に引き継いでいって欲しいと切に願う。 「おわりに」に記された、 波多野一郎氏の娘さんが作った詩が感動を誘う。 全ての生物の「実存」の極みから絶対的平和=日本国憲法第9条を基礎づける書名に惹かれて購入。「戦後の日本は、超戦争をくぐり抜けた体験をへて、超戦争に対峙しうる超平和の思想を、国の立ち上げの原理である憲法に表現した」(150頁)。即ち、憲法第9条はいわば<超平和>論の具現化であり、筆者はこれを基礎づけるための思想的なジャンプ(=全ての生物における実存とそれに対する共感)を、波多野一郎氏の『イカの哲学』(1965年刊)のなかに見出し、その更なる由来を太古の神話的思考の中に求め、比喩的に、同条が単なる異物排除の免疫機構を表象するものではなく、「別種の生命原理」(162頁)の反映であると説く。(憲法第9条の神話的基礎とでもいおうか。)また、議論を更に発展させ、単なる武力による戦争のみならず、今日の自然搾取的状況(地球温暖化や天然資源争奪戦)も同根の問題であるとし、「エコロジーと平和学は、同じ根から成長する、二本の思想の樹木」であるとする(160頁)。「平和」を如何に基礎づけるか、中沢平和学の試論とでもいうべき一書。 憲法9条(9)+中沢新一(1)=イカ(10)の哲学簡単にいえば、神話学者中沢氏の憲法9条の神話的解釈本。 中沢氏の神話の世界では、人が山羊と結婚したり、熊と共に生活したりするが、 この本ではそれがイカとなっているだけ。 この本を、普通の言葉でまとめるとイカのとおり。 日本人は第2次世界大戦で、特攻隊だとか、シベリア抑留だとか、原爆被爆だとか 極めて悲惨な体験をしました。 日本人も他民族(この本ではイカがその象徴)と真摯に向い合い、理解しあえないまでも、 その実存を互いに認め合えば、もう戦争をすることはないでしょう。 まして、現代は、原爆という超戦争の時代にあり、戦争を起こすことは事実上できない 超平和の時代にはいっています。 その超平和的理想を掲げた世界ただ一つの憲法が、日本国憲法なのです。 従って、日本国憲法9条は擁護されるべきなのです。 ざっとこんな具合。 護憲論者は、気にかからない人も多いかもしれないが、改憲論者には、憲法9条をイカから 語られることは耐えられないだろう。 原爆とイカ漁(投網)のアナロジーも、ごく普通に考えれば、あまりと言えばあんまりの話。 それにしても、神話学者がこれほど熱心に擁護する憲法9条とは、結局は神話にすぎないのか という思いがふと浮かぶ。 (なおイカは、投網では取れないことを最後に付け加えておきます。) |