風の歌を聴け (講談社文庫)

- 講談社 価格 ¥ 400
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風の歌を聴け (講談社文庫)


講談社

価格(new/used): 400 円 / 100 円 より
発売日: (2004-09-15) アマゾン売上ランキング: 1715 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 71件

2008年時点での僕の理解。
何か困難にあたるといつもこの本を読んだ。
おかげでもうすでに50回は読んでいると思う。

何のために書かれたのか分からない、
でもすごく深いものがあるように感じられる。
時々そんなはずはあるわけないのに
「これは将来の僕が書いたのではないか?」
などと思わせるような感覚も覚える不思議な本。


ただ、何度読んでも自分に引っかかってくることからなんとなく分かったことがある。

何かを学び取ろうとすれる姿勢を持ち続ければ年老いることは苦痛ではない。という冒頭の言葉。

いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりもずっと疲れる。そうだろ?という台詞。

君は何を学んだ?そして絶望に自殺をする青年。


そして最後に僕が一番好きな太文字の言葉にぶつかる。


僕達は今の自分達よりも成長するためにみんな歯を食いしばって生きているし、
これからも同じことを続けて行くのだろう。
「風の歌を聴け」を主題とせるヴァリエイション
 風そのものは、しゃべりはしないよ、言葉を喚起するんだ。――村上春樹さんは、この作品の中で、そんなことを書いていた、と私のおぼろな記憶は語っている。
 ある雑誌で、町田康さんの文章を読んでいたら、文学風をふかした文学チックな文章は、実は、にせものである。みたいな文章と出会った。そういえば、太宰も、いかにも詩人然とした、気取った青年は実はにせものだ、と言ったり、ヤソのヤソくさきは、真のヤソにあらず、などと書いていた。そこで私は、このレヴューを、レヴューらしからぬ、真のレヴューにしたいもんであると思い、これを実行に移そうと思う。
 プニューマ(風)は心のままに吹く。プニューマ(霊魂)もまた、同じである。
 換気は、換気。ドスト氏の作品で、大事なのは、空気を入れ替えることだ、というのがあった。窓開ける。空気が、風が吹き込む。新鮮な風が。風は人にインスパイア(霊感)を与えるのだろうか。
 梶井基次郎のある短編には、チェホフの短編が登場している。男の子が、女の子を乗せたそりを押しながら、下り坂を下っていく。女の子は、下っていく途中、男の子に何かささやかれたような気がする、何か、甘い言葉を。けれど、それは風の音であるようにも思われ、判然しない。そこで、女の子は、もう一度、男の子にそりを押すようせがむ、もう一度、もう一度、と、女の子はせがみ続けるが、結局、女の子は明確な答えを出せない。
 結論、作品とは風である。作品そのものは、けっして、何も語ってはいない。私たちは、作品が喚起する言葉に耳を傾ける。自分のうちにあって、しかし、普段は姿を見せない、言葉たちに。それが、文学を読む、ということなのかもしれない。
 自分ながらわけの分からないこと書いた。なんのことはない。私の文章能力が、つたないだけの話である。なにが真のレヴューか。真のレヴュー風のまがい物になっちゃった。失礼しました。
深夜の静まりきったキッチンのテーブルの上で
どうも村上氏の作品は評そうとすると、つまり言葉にすると嘘になってしまうようなところがあって、こうして書くのはなかなか難しいところがあると思います。いわく言葉にし難い魅力と、特に古い作品になると個人の思い入れが重なり、普通の人にはこの感性を客観化し辛いせいなのでしょう(自分がそうです)。この後に続く「1973年のピンボール」や「ノルウェーの森」などそっと心にしまっておきたい、そんな作品の多い作家のような気がします。

1979年刊行の表記作ですが、デビュー作として歴史もあるだけに(といっても30年くらいですが)、同時代で作品に触れた世代にとっては「心にしまっておきたい」感が一段と強いものなのではないでしょうか(私はもう少しあとの世代)。村上氏自身は、ジャズ喫茶を経営するかたわらの日々、ある日ヤクルトの試合を見ていた神宮球場で突然、神の啓示を受けこの作品に着手したと述べており、この次の「1973年のピンボール」まではどことなく腰の定まらない執筆だった、と述懐していたのをどこかで読んだことがあります。まあ腰の定まらないまま、これほどのものが書けるのも凄いと思いますが、高校時代から恐ろしく文章の上手い奴がいる、と評判だった才能のなせる業なのでしょう。

仕事で疲れた後、深夜の静まりきったキッチンのテーブルの上で、ことことと筆を動かす若き氏の姿が浮かびます。
空の宝石箱
キラキラと輝く宝石箱のような作品です。
こんなにも素敵な文章って読んだこと無いと思わせるような。
とにかくその眩しさに触れるだけでも読む価値はあると思います。
でも中には何も入っていない宝石箱だと思います。
独自のワールド
10代後半の夏にある雑誌で取り上げられていて、読んだのがきっかけかな。だからもう20年近くも前のこと。缶ビールとピンボールとビーチボーイズ。当時高校生だった僕には、ちょっと背伸びした感じの刺激的なその雑誌の紹介文が印象に残った。
その後、深くその小説が掘り下げられて別の角度からの評論などを読んだりするとそうだったのかと妙に納得させられた感じだった。
小説の内容は主人公のひと夏の思い出を語ったものであったが、しゃれた言い回しや感覚などとても身近でありながら、よく練りこまれた小説であったなと思う。