マークスの山(上) 講談社文庫

- 講談社 価格 ¥ 680
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マークスの山(上) 講談社文庫


講談社

価格(new/used): 680 円 / 1 円 より
発売日: (2003-01-25) アマゾン売上ランキング: 45841 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 43件

ハードカバーと比較
全面改稿された文庫版では、不条理の象徴であったマークスを人間化して説明と描写を重ねる度、ただのグロテスクなモンスターに成り下がらせてしまった。文学的には、少々・・・かな?間違い無くハードカバーをお勧めします。ハードカバーは星七個。
推理小説の面白さかな。
 雪山を舞台にした大変読み応えがあるおすすめ小説です。

 雄大な自然の情景とは裏腹に、極めて複雑かつ単純な人間心理をうまく描写しております。

 全ての謎が解かれたとき、辺り一面が一斉に雪融けした感じがしました。
七合目くらいですか
高村氏が警察小説の体裁を借りて、個人と組織の関係、個人の社会からの隔絶感、社会の上層部の腐敗ぶりと矮小性を骨太の筆致で描いたもの。合田刑事シリーズの初作でもある。

犯人マークス及びその背景にあるマークス・グループに対する警察の対応、本庁と所轄署の確執、所轄署間の縄張り意識、署内の班・個人の競争心、捜査に圧力を掛ける裏の巨大な権力。ルーチン的とは言え、高村氏のいつもの「まるで見て来たかのような」精緻な描写によって、事件の緊迫感、人間模様の複雑さ、刑事達の焦燥感、運命の皮肉などが読者の胸に迫る。

しかし、私は犯人マークスを周期的記憶喪失症という特異な病人に設定している事に違和感を覚えた。犯人の社会からの隔絶性が精神疾患から来るというのでは、お手軽過ぎて、小説の深みが薄れてしまう。
また、次のような疑問が残るのである。
(1) 小学四年生の時には発症していた犯人が、人並みの知性を持ち得るのか ?
(2) 犯行時、犯人は「暗い山」に差し掛かっており、その状態で恐喝・連続殺人を計画・実行し得たのか ?


些細な点だが、「林原」に対して「リンバラ」というルビを振らないのはアンフェアであろう。尚、markには"傷跡"という意味もあり、犯人の精神的損傷及びマークス・グループの過去の事件のメタファーとして、「マークスの山」という題名が小説の意匠を巧みに象徴している点には感心した。
人間小説?
3年周期で、曰く「明るい山」と「暗い山」の全く別の人格になってしまう精神障害を持つ「マークス」こと水沢裕之が犯す連続殺人、それを追いかける合田警部補。

水沢裕之が狙うのは、全て暁成大学OBでしかも蛍雪山岳会と何らかの関係を持っている。
違う時期に起きた事件との関連性は?
暁成大学OBが守ろうとしている秘密は?

ストーリー、情景描写、人物描写も優れており、ぐいぐい惹き込まれていきます。

非常に優れた作品であることに間違いは無いのですが、敢えて難を言うとすれば、暁成大学OBが、守ろうとしていた秘密−その事件−の動機に必然性が感じられないことです。

尚、「マークス」(MARKS)とは、暁成大学の登山仲間5人組みの頭文字を取ったものですが、「R」が林原(リンバラ)から来ているというのが違和感が有りました。
確かに「R」で始まる苗字は少ないでしょうが、例えば「力石」の方が一般的にはポピュラーです。
作者が敢えて特殊な苗字を選択したのかもしれませんが...。
無理がある
友人が「一気呵成に読んでしまった」というので手に入れてみましたが、確かに一気に読んだもののはっきり言って面白くなかった。
・記憶傷害
・上層部からの圧力
を"上手に"利用して強引に物語を進めていくので違和感が残った。それに記憶傷害の人間を犯人にしたてる発想そのものがあまりにも貧困であり、かつ現在の世の中にはそぐわないと思うのですが。
うーん、あくまでも個人的な好みですし、そんなに色々な作品を読み込んではいませんが、やはり日本のミステリーはル・カレ等の海外物には全く歯がたちませんね。
ただ警察組織内部の泥試合は興味深かったので星2つ。