悪意

- 講談社 価格 ¥ 660
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悪意


講談社

価格(new/used): 660 円 / 300 円 より
発売日: (2001-01) アマゾン売上ランキング: 599 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 86件

最高傑作のひとつ
東野さんの作品はほぼ全て読んでいますが個人的にはこれと白夜行、夜明けの街での3作がベストと思います。悪意は本で読んだ後NHKでテレビドラマも見ましたがこれはいただけませんでしたね。誰かに貸して無くなってしまったので古本を買いました。文庫本は嫌いなので...
犯行動機を徹底的に解明する加賀恭一郎の執念―そこまで追い詰める動機とは何か?
 著者によれば、デビュー作第2弾である『卒業』で初登場させた加賀恭一郎をシリーズ化する予定は全くなかったそうである。現時点で彼が刑事として腕を振るう作品は全7冊。本書はそれらのなかでも「異色」であり、目次を眺めれば一目瞭然だが、「手記」・「記録」・「独白」・「回想」そして「解明」といった表現が列挙され、それゆえ本書は、野々口修と加賀恭一郎との時間を通じて展開される「対談形式」の様相を呈している。「記録」や「手記」のなかに隠された犯行の真の「動機」を探り出すホワイダニットの決定版とでもいうべき作品だ(著者いわく当初は全く売れなかったそうだ)。

 読者によっては、「犯人当て」や「犯行手段」に比重を置いた作品を好む人も多いだろうが、動機の真相を暴きだすことは、それらよりも困難をきわめる作業ではないかと推察される。実際のところ、加賀は「過去の章その二」で、犯罪者の交友・家族関係を丹念に調査することで、最終的に「真相の解明」なるものに到達しえた。それは当初の目的実現にとって必要不可欠な任務であった。そのような意味でも、本書『悪意』は、加賀恭一郎の刑事としての慧眼・手腕そして執念(バイタリティ)のすべてを盛り込んだ最高傑作と称しても過言ではないだろう。なお本書の構成は、横山秀夫氏の有名な『半落ち』と似通っている印象を抱いた。

 最終章「真実の章」では、加賀が「記録」や「手記」に隠された疑問や矛盾を、犯罪者の過去の交友関係に関する綿密な調査を踏まえながら、論理的に解き明かしてゆく、まさに「詰め将棋」の世界であり、ある種の「駆け引き」すら感じさせる。読者は加賀の静かな語り口に黙って耳を傾ける。醍醐味は十分に秘めている。人間に潜在的に潜む悪意(の根源)に真っ向から立ち向かうその徹底さぶりを、さりげなく披露する加賀の姿勢にこそ私は震撼した。加賀恭一郎は人間さを増しつつ「進化」するのだ。
一気読み・・・はまる
 久しぶりに一気に読んでしまった本です。
 ずるずると引き込まれてしまいました。犯人の巧みな工作に・・・
 犯人探しではなく、動機さがしという点が大変おもしろく、また、
はまってしまう内容です。
 中学時代のいじめがその後の人々の人生をくるわせてしまうなんて・・・
 考えさせられるテーマを内在しています。
悪意の意味
 一人称の形で物語は進行する。ある作家が殺される。犯人は案外あっさりと分かる。しかし、その犯人はなぜか動機を語ろうとはしない。次々と動機に関係ありそうな事柄が浮かび上がってくるが、決め手となるものはない。謎はますます深まってゆく。そして、犯人自身によって真相が語られる。それは込み入っており、われわれ読者が想像できる範疇を超えている。作家というもののエゴを感じずにはいられない。しかし、犯人が動機を語らなかったのは、愛する人を守るためだった。そこからは、人間の本質が見えてくる。悪意というタイトルがついているが、事件の真相からは犯人の悪意は見えてこない。むしろ、自分ではどうしようもない感情に流される人間の弱さ、哀しさ…そういったものが浮かび上がってくる。このストーリーは決して特別なものではなく、われわれがともすれば陥りかねないわなを描き出している。どこにでもある、私たちみんなが持っている悪意。それが時には、殺人事件を引き起こすこともあるのだ。私たちは、彼ら(殺人犯)を特別な人間と考えるのではなく、同じ人間としてとらえるべきであろう。
 …と思っていたら、最後に大どんでん返しが待ち受けていた。これまでの出来事がすべて覆されてしまうほどの。さすが東野圭吾、と思わせる作品である。ミステリー好きを満足させるに足る好著。
 悪意―。このタイトルの持つ本当の意味を知ったとき、読者は人間の不可思議さ、その心理の微妙さに思いを致さずにはいられないだろう。人間の持つ業が見事に表現されている小説である。
3回騙された
 推理小説というと、人間関係や遺留品、関係者の証言などを基にして推理し、犯人を見つけるものがほとんどだと思います。また自分自身も推理小説とはそういうものだと思っていましたが、ホン作品には驚かされました。

 犯人が全体の3分の1ほどで判明してしまい、そのときは「なんだ犯人がこんなに早く捕まるなんて、この作品ははずれかもしれないな」と思っていましたが、読み進めていくうちにどんどん面白くなっていき、なぜ最初あんな感想を持ってしまったのか疑問に思ってしまうくらいでした。また、そんな感想を持ったことを東野先生に謝りたい位です。
 読み終わったあとの「騙された感」が最高でした。それと同時に「くそーしてやられた」とも思いました。今まで読んだ東野作品だと「仮面山荘殺人事件」と同じくらい騙されました。

 普通の推理諸説に飽きている人には本作品を強くお勧めします。きっと私と同じように3回、少なくとも一回は騙されることは確実です。