![]() |
義民が駆ける (講談社文庫) |
| - 講談社 価格 ¥ 650 | |
| home|書籍|CD|DVD|ゲーム|ソフトウェア|家電|キッチン|おもちゃ・趣味 |
![]() |
義民が駆ける (講談社文庫)講談社 価格(new/used): 650 円 / 39 円 より 発売日: (1998-09) アマゾン売上ランキング: 176604 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 3件 政治闘争を士農商の視点で描ききった歴史小説「酒井左衛門尉忠器儀、酒田港取締り不行届きに付、このたび越後長岡に所替仰せつける。以上。」 三方領地替えとして、荘内藩を長岡に、長岡藩を川越に、川越藩を荘内に移す形で国替えを命ぜられた荘内藩は、水野忠邦の策謀に必死の抵抗を試みる。 同時に領内の農民は荘内藩を守るため、自分たちの生活を守るために義民となって、懲罰を省みず直訴に向かう。 三方領地替えという政治闘争的な表現が難しいものを、藩主や老中といった視点だけでなく、農民や商人という多くの視点からお互いの利害を踏まえて的確に描いている。 史実を題材とした歴史小説で、小説として面白いだけでなく、細部にわたるまで綿密に調べられており、歴史としても非常に勉強になる。 政治的駆け引きという、現在社会においても十二分に通ずるものと考える。 また、歴史を的確に描いているためか歴史的背景が複雑であったり、登場人物が多いため比較的難しい内容となっている。 これは難しい藤沢作品の中でも、これはかなり難しい作品です。 お殿様が移動するのを拒む為の「百姓一揆」なのですが、 如何せん難しい。 じっくり、ゆっくり読んでください。 面白いですが、難しい。 農民達の前代未聞の行動を通じて化政期の人々を描いた良作天保十一年、幕府は長岡藩主牧野備前守を川越へ、武蔵野国川越(埼玉県)藩主松平大和守を出羽国庄内へ、庄内藩主酒井忠器を越後国長岡(新潟県)へ領地替えする命を下した。世に言う、三方国替えである。 この国替えを阻止しようと、庄内藩の百姓達が大挙して江戸に登り、直訴を行うという前代未聞の行動に出た。本書はこの事件を扱った時代小説である。 水野忠邦を筆頭とする国替えを進める幕閣の人々、酒井忠器を筆頭とする故無くして石高半減の国替えを阻止しようとする庄内藩の武士達、それに、苛烈という新しくやってくるであろう領主の話に不安を抱き、自らの暮らしを守ろうとする庄内の百姓達。また、国替えという大事件に巻き込まれる庄内藩と繋がりのある豪商本間光暉や川越藩のために動こうとする百姓。事件を通じての彼らの思惑や行動を藤沢周平は丹念に描いていく。 幕府の威信と自らの権力の確立のために国替えを強行しようとする水野忠邦、大名達の反感を盾に賄賂、コネとあらゆる手段を講じて国替えを取り消そうと奔走する庄内藩、そこに彼らがまったく予期しなかった要素として庄内の百姓達の大挙して江戸に昇るという事件が起き、その事件の処分を巡って国替えは急展開を見せる。 それぞれがそれぞれの思惑と利益のために動き、時に協調し、時に反発する。欲望と自己犠牲が表裏一体としてせめぎ合う中で、処罰覚悟の直訴が行われ、それが歴史を動かしたという確かな人間の生き様とドラマが感じられる良作である。 |