アフリカの蹄 (講談社文庫)

- 講談社 価格 ¥ 700
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アフリカの蹄 (講談社文庫)


講談社

価格(new/used): 700 円 / 200 円 より
発売日: (1997-07) アマゾン売上ランキング: 48827 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 8件

やっぱり読む視点が違ってしまう(泣)
 帚木氏の作品を初期の方から読んできて、当然これに当たったわけだが、うん、舞台がアフリカなのも、日本人の正義の味方のお医者さんのかっこよさも、それは十分、物語を面白く読むための材料にはなっていて楽しく読んだのだけれど、私が一番気になったのは、今、どこかで天然痘がはやったら、世界にはこの程度の力しかないのかということ。それを考えるととても怖かった。これって皆さんには当たり前、常識の範囲の話なのだろうか。
 それでも、そんな恐怖はきれいに忘れ去っていたのに、麻疹やら結核やらが流行り出している。新しい病気も怖いけれど、こういう復活系の病気の話は、やっぱり結構怖い。
正義の味方
主人公の罪の意識を解消させるためには小説中でまずたくさんの子供達が死ぬしかなかったのか?主人公が完全にアフリカ人に溶け込んでいけたのは、作品中のアフリカ人たちがまるで日本人のようだから?世の中の人は、差別主義の悪人か正義のために命を投げ出す善人に分けられるの?いろいろ考えさせてくれる小説です。
南アフリカの夜明け前
5年程前、ヨハネスバーグの空港から市内へ向かう道で唖然としたことがあります。先には摩天楼、道ばたにはスラムが続き、夕餉準備をする為の薪をたく煙が立ちあがっていたからです。アパルトヘイトが撤廃されて10年で、まだこうなのか!と思ったのです。この小説の舞台は更にさかのぼること10年(多分)。黒人解放運動の黎明期を舞台に、心臓移植術の研修に来た日本の外科医が、黒人のおかれた立場を見るにつれて同情心を持ち、スラムの診療所で見たものは、死いいたる発疹性疾患。ここから医学ミステリーとも、冒険小説とも言える展開で物語がすすんで行きます。当時の状況を彷彿させる小説で、やや荒唐無稽とも言える話しですが、緊張感を感じさせながらも読者を引きつける筆力はさすが。十分に楽しめる小説としてお勧めします。
あくまでフィクションとして読むべき
厳格な人種差別政策を敷くアフリカの架空の国を舞台にした、すばらしいヒューマン・サスペンス作品である。ただし、どうしても南アフリカ共和国をイメージしてしまうが、あくまでフィクションとして読むべき作品である。この作品の核となる事件は実際に起きていないし、どんな極右勢力と言えどもこれだけのことをやるのはまず不可能だろう。また、白人側に与する黒人をわずかに登場させただけで、黒人側の問題点には切り込んでいない。しかし、思わずノンフィクションと錯覚してしまうほど、プロットや描写力はすばらしい。よって☆は5つ。
ヒューマンサスペンスとして読むには、面白いです。
私は、テレビドラマになったので、原作を読んでみようと思い、この本を購入しました。日本人の作家のサスペンスや、推理小説は、面白くない事が多いのであまり期待していなかったのですが、ヒューマンサスペンスとして読むには、最高に面白いです。小説としてのプロットも良く考えて書かれていると思います。

 特にボツアナへ行った主人公が、再度、南アフリカへ戻ってくる部分は、ハラハラさせられます。
 今の日本人の医者で自分の保身を考えず、本当に「人の役に立ちたい」と思って医療を行っている人は、どのくらいいるのでしょうか?この主人公の「自分を必要としてくれる人がいるから南アフリカに残って医療を続ける」という選択もすごい事だとおもう。

 そういう点から考えると特に世界中の!難民、スラムなどに対する医療のあり方、本当の医療支援について考えさせられる部分も多く、是非、医療関係者にも読んでいただきたい本です。

 ただ、南アフリカという場所については、あくまでも仮定であり、実名で南アフリカを名指ししている訳ではないので、本当の南アフリカとの相違点など追求せずに読んだほうが良いと思います。
 それから、この本の内容ほど差別が明確でなくとも、我々人間は、心のどこかに差別意識を持っているのだという事も改めて教えられた本でした。

 テレビドラマの方ももう1度じっくり観てみたいです。