大江戸泉光院旅日記 (講談社文庫)

石川 英輔 - 講談社 価格
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大江戸泉光院旅日記 (講談社文庫)

石川 英輔
講談社

価格(new/used): -- 円 / 2,856 円 より
発売日: (1997-05) アマゾン売上ランキング: 434526 位
文庫 / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.0 / 総数: 1件

著者の気持ちはわかるが……
 簡単な覚え書きの羅列なのだが、当時の各地の様子がわかる。
 書名はよくない。「大江戸」と冠していても江戸はほとんどでてこない。
 例によって、作者は、「江戸時代は自由だった」ということを繰り返し述べている。
 しかし、自由だったかどうか、というのは、ものごとをどう解釈するかによるのではないだろうか。

 たとえば、「この土地では、鉄砲所持は放任状態で、現代のわが国の厳しい鉄砲管理とは比べものにならないほど自由だったこともわかる。」(p122)という文章。

 紺屋が鉄砲を持っていた、ということだけで、そこまでわかるのだろうか。同時期の鈴木牧之『北越雪譜』「雪中の狼」に「国許の筒」という表現がある。届け出て許可を得て所持している、ということである。ここでも塊??け出はしているかもしれない。

 また、現在でも、暴力団員の中には、銃を持っている人がいるだろう。それをもってして「拳銃所持は放任状態」というだろうか。

 玄武岩を自由にとることを禁じたということを「景観を守ろうとする動きは、昔からあった」(p137)と評価しているが、これなど、権力の規制を受けながら生活していた、と解釈することもできる。それに、禁じたのは、景観を守るためではなく、藩が利益をあげるためかもしれないではないか。

 真庄城下では「町が内と外に分かれていて、内側へは旅人の出入りを禁じているため」(p278)というのも、現在では考えられないような厳しい規制だ。
 江戸時代は、これまで言われていたよりは自由だったのだろうとは思うが、著者がいうほど自由だったかちち?うかは疑問を感じる。

 物足りない点。

 「川越人足を使わずに大井川を渡る〈勝手渡り〉は厳罰に処された、と書いた本があるが」(p331)。誰が書いた何という本なのか明記して欲しいところだ。

 気になった点。
 「江戸時代の日本は、それぞれが独自の行政権、司法権を持った半独立国のような二百七十余の大名領に分かれた一種の合州国で、〈州〉に相当するのが〈藩〉である。」(p29)

 「合州国」という表記をする人はたまにいるが、これは誤り。英語の国名に「合衆」という古い漢語を当てはめたものだ。また、江戸時代の日本は、「合衆国」というより「連邦国」といったほうがわかりやすいのでは。
 「乃木村(南安曇郡豊科町及木)」(p222)の「及木」は「乃木」の誤植か?

 著者は、ほかの本でも品!川の地名「鮫洲」を「鮫州」と表記しているが、この本でもそうなっている。(p322)なぜだろう。



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