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慈悲をめぐる心象スケッチ |
| - 講談社 価格 ¥ 1,575 | |
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慈悲をめぐる心象スケッチ講談社 価格(new/used): 1,575 円 / 705 円 より 発売日: (2006-08-29) アマゾン売上ランキング: 288406 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件 差し出されている花いい本でした。玄侑さんは誠実に賢治と読者との双方と対話しています。 宮沢賢治の詩や童話は、仏教を特に知らなくても楽しめますが、深いところには到達できません。この本は仏教に精通し、宮沢賢治と心から対話した人でないと書けない本です。 (玄侑さん、もしよければまた宮沢賢治について書いてください) 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない。」 宮沢賢治の有名な、本当に重い言葉です。 著者は本当にそうなのだろうかと問い掛けます。 これは一人の人間が願うには余りに崇高な、本気で現世で仏になろうとしている賢治の姿勢を表している言葉ではないか。宮沢賢治という人が人生をかけて咲かせた花は、美しすぎる徒花だったのかもしれない。しかし、そのように生きた賢治だったからこそ、我々は、彼の歩んだ轍を追うことなしには、慈悲も「まことの道」も考えられなくなってしまったのかもしれない、と書いています。 昔から宮沢賢治が好きだった自分でしたが、ここまで他者の幸せを考えて生きた人がいたのだろうかと、改めて自分の生き方と照らしあわせ反省を強いられました。 宮沢賢治の生前の様子を物語るエピソードも多く興味深いです。 あとがきからひとつ紹介します。 自分で作った花を町で売ろうと考え、実行に移した賢治だったのですが思うように花が売れず、あるお坊さんのところに泣き言のような相談をしに行ったことがあるそうです。 お坊さんの言うことには、「自分から背負って売って歩くようでないとダメだ」と。 その言葉通りに、実行に移した賢治だったが、近所の貧乏な家の子供たちには求められればただで花をあげ、あげた賢治のほうが嬉しそうに笑っていたそうです。 思えば賢治が作った童話こそ我々に差し出されている花のようなものではないかと思います。 宮沢賢治さんと玄侑宗久さんに感謝します。 |