魔王

- 講談社 価格 ¥ 1,300
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魔王


講談社

価格(new/used): 1,300 円 / 389 円 より
発売日: (2005-10-20) アマゾン売上ランキング: 10197 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 57件

特殊能力で世界を変えられる?
相手に自分の言いたいことを言わせる安藤、じゃんけんに負けないその弟潤也が、その能力をどう使っていくのか楽しみながら読めた。アメリカ、中国との外交問題、日本国憲法第9条の武力放棄の法律改正など、政治的な話も分かりやすく表現されており、非常に読みやすかった。ただ、潤也が今後どうやって世界を変えていくかという話を期待していたのにあっけなく終わってしまった結末がちょっと残念だった。
暗闇と光
伊坂さんの作品はどれも読んでいますが、これもとても好きな一冊です。
清潔で、強いのです。もちろん、夢中になって読めるおもしろさです。
ここには、特殊な能力者たちが登場しますが、ある意味では、「だれもが持つ能力」のように、私には感じられます。
だれもが、そんな力を、自覚するか、見ないふりをするか、そして、気づいたときに、どちらの方向に使うのかは、選ぶことができます。
政治性というよりは、「だれもが、世界を選ぶことができる」、そんなメッセージを感じました。
伊坂っぽくない作品
伊坂幸太郎のファンなので、この作品を手に取りましたが、いまいち・・・・
政治色が強く、兄弟の超能力も物語の中でそんなに意味があるのか良くわからず・・・

何か中途半端な感じが強かったな〜〜。
次の作品に期待します。

読者は問われているのだ。本書を読む「覚悟」はできているのか、と!
 インパクトあるタイトルの本書『魔王』は、表題「魔王」とそれに続く「呼吸」という2作品から構成されている。扱われている内容はきわめてデンス(濃密)かつディープ(深遠)だ。ファシズムの意味論、大衆迎合主義の問題性、米国や中国との緊張関係、アジアにおける日本の位置、憲法論議など、犬養首相の言葉を借りれば、「読者は本書を読む覚悟ができているのか」と言いたくなる。

 本書の評価は、今後の日本を見据えるうえで決して回避し得ないそうした重要な諸問題に対する、国民(ないしは一個人)としてのそれなりの見識を有していることが前提になっている印象を受けるからである。むろん本書を通じて、自分なりにあらためて問い直すことは可能であろう。

 前半の「魔王」よりも後半の「呼吸」のほうが私は好きだ。それは、清々しい大空とそこを自由に羽を拡げて雄飛する鷹といった自然描写が、乾き切った人間社会との鮮明な対称性をなしているせいかもしれないし、ストーリー展開における「目線」が亡くなった兄の弟の妻に移ったことで、ある種の柔らかさを帯びたことによるのかもしれない。いやそれ以上に、兄の信念・使命が弟に継承=バトンされてゆく緩やかなダイナミズムが巧みに描かれているからではないか。若い頃に両親を同時に失った兄弟間に生じた関係・心情をどう表現すべきか難しいが、永遠に心のなかで生き続けるであろう兄への「敬愛」ともいうべき価値観は尊い。社会現象に対して「諦観」や「無関心」でいることへの危険性を兄は誰よりも憂い、その姿勢は確実に弟に引き継がれてゆく。

 「馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、俺はそれでも、水に流されないで、立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」(278頁)という弟の主張は、兄の生き様を反映した発言である。犬養の「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」(263頁)というセリフも私には響くものがあった。本書の含意は実に深い。
魔王とは
これは魔王についての物語です。
では魔王とは誰なのか?
最後の最後で明らかになります。
前編を通じてさわやかでほのぼのとした雰囲気が
最後の一瞬だけ凄絶な血と炎の色に染まります。
これは魔王覚醒の物語です。