死霊〈3〉 (講談社文芸文庫)

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死霊〈3〉 (講談社文芸文庫)


講談社

価格(new/used): 1,470 円 / 3,000 円 より
発売日: (2003-04) アマゾン売上ランキング: 37960 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件

 埴谷の思いは私達に託された
 Ⅰ・Ⅱを読んだ読者に本書の解説は無用だろう。最後の審判は釈迦とキリストを断罪した、新しい「生命倫理」の話。論理は極めて明快。釈迦のチーナカ豆とキリストの喰った魚と生まれずに死した胎児との対話は今世紀に語り継がれるべき問題であろう。さて、半世紀に渡って書き継がれた死霊は「完結」したのだろうか。Ⅰのはしがきでは「釈迦と大雄の対話」がクライマックスとして描かれる、とある。作者は遅筆であったから残念ながら、不本意の未完と言えるだろう。(死後、「群像」に発表された断章は本巻には収録されていない)しかし、はっきりいえることがひとつ。完結したと思える(思いたい)のは三輪与志と津田安寿子の「愛の物語」であろう。寡黙な与志を安寿子はひたすら理解しようとつとめる、そして第9章で(ネタばらしはしない)その結末は迎えるが、私としてはそれで納得の行く終わり方だと思った。埴谷の与えた課題は私達に引き継がれた。
埴谷は好きだけれども
埴谷は好きだけれども、どうしてもドストエフスキーの模倣が多い気がしてたまらない。(勿論埴谷独自の部分もあるけれども)三輪家が象徴としてある。=カラマーゾフ家。両家の父は放蕩者で隠し子がいるところおまけに4兄弟!!≪最後の審判≫と大審問官の酷似。ブントでの殺人・・・といたるところにありますが、これらは埴谷が意図的にドストエフスキーとの対決の為に用いたということにもなるんでしょうけれども、僕の読みが浅いせいかそう感じられない部分もある。なんだかんだ言ったけれども埴谷最高!!
形而上小説
未完に終わった『死霊』ですが、もう続きが書かれない以上、完結した作品と
考えて読んだ方が良いでしょう。ドストエフスキーの『悪霊』の影響を強く受けながらも、独自の埴谷美学とでもいった奇怪な観念に彩られたこの作品は、他に類のない小説としていつまでも読み継がれるはずです。