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使徒教父文書 (講談社文芸文庫) |
| 荒井 献 - 講談社 価格 ¥ 1,575 | |
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使徒教父文書 (講談社文芸文庫)荒井 献 講談社 価格(new/used): 1,575 円 / 880 円 より 発売日: (1998-03) アマゾン売上ランキング: 192949 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 3件 リベラルな解説翻訳者、解説者の田川建三はリベラルであり正統的な信仰を持っていない人物なので解説には注意が必要である。田川建三はポリュカルポスは「陳腐な人物」であり、「思い上がった正統意識」を持っていたと主張する。またパウロ書簡がパウロの手になることを否定しており「擬似パウロ書簡」というリベラルの常套句を使っている。 初期キリスト教に触れる貴重な資料本書は、「聖書の世界・別巻4(新約II)」として1974年に講談社から公刊されたものが、1997年に講談社文芸文庫より解説の一部に修正・増補を加えて再刊されたものである。 巻頭の荒井献氏による解説「使徒教父文書の世界」によれば使徒教父文書とは、「新約聖書と教父文書の中間の時代に、ただし新約聖書のうち比較的後期に成立した諸文書と、教父文書のうち初期に成立した諸文書と一部重なる時代に、キリスト教の正統的立場を何らかの意味で代表する人々によって著され、その多くが、伝統的には、時代的にも思想的にも、新約聖書に次ぐものとみなされた諸文書のこと」(p.11)である。 現代のキリスト教へと受け継がれている教義の原型と言うべきものの多くを、本書所収の資料に見出すことが出来、この意味でこれらの文書はキリスト教正当信仰の基礎と言うことができる。しかし同時に、公会議以前の、様々に異なる教会像が反映されていることも事実であり、その意味では、初期のキリスト教の多様性を表す貴重な資料と言うこともできる。 本書は日本の新約学を代表する研究者らによって、できる限り原文に即した形で翻訳することが意図されている。また、巻末にまとめられている、訳者らによる各文書についての解説は、それだけで既に初期キリスト教概説と言うことも出来、大変有用である。 なお各文書の訳者は以下の通り(敬称略)。十二使徒の教訓(デイダケー);佐竹明、バルナバの手紙;佐竹明、クレメンスの手紙―コリントのキリスト者へ(I,II);小河陽、イグナティオスの手紙;八木誠一、ポリュカルポスの手紙;田川建三、ポリュカルポスの殉教;田川建三、パピアスの断片;佐竹明、ディオグネートスへの手紙;佐竹明、ヘルマスの牧者;荒井献。 新約聖書ならびに初期キリスト教を深く知るための古代宗教文書同じ文芸文庫の『新約聖書外典』は、どちらかと言うとキリスト教初期に主流グループによって異端視された文書を集めたものであるが、こちらの『使徒教父文書』というのは後に初期カトリシズムを確立するグループによって新約聖書二十七編に次ぐ、準正典的価値を認めらていた十編の文書である。おおむね新約聖書の思想を敷衍・補強し、殉教と信仰告白の重要性を強調し、ユダヤ教やグノーシス派などの「異端」を非難する内容である。ナザレ人イエスの登場によって開始された「ユダヤ教イエス派」の運動がローマ帝政期に原始キリスト教として発展し、やがてカトリックやギリシャ正教に収斂する過程をたどる際には、まさに必読の文献である。本書は『使徒教父文書』が日本では学問的に信頼に足る翻訳が存在しなかったとし、原典に即した質の高い翻訳が目指されている。編者による序文「使徒教父文書の世界」や各文書に対する邦訳者による解説も有益である。 |