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白色の残像 (講談社文庫) |
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講談社 価格(new/used): -- 円 / 1 円 より 発売日: (1991-07) アマゾン売上ランキング: 618740 位 文庫 / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件 高校野球とは本書は第34回江戸川乱歩賞受賞作である。秀逸な作品なのであらすじを記す必要はないだろう。 発行されたのが18年前の1988年。この年の甲子園は、春は宇和島東が、夏は広島商が優勝。ドラフトでは夏の準優勝投手、福岡第一の前田幸長(現 巨人)がロッテに1位指名され、野手では江の川の谷繁(現 中日)が大洋(現 横浜)に1位指名され、それぞれ入団した年。その3年前にはPL学園の桑田・清原KKコンビが甲子園を巣立ち、そして10年後の1998年には怪物・松坂率いる横浜が春夏連覇を成し遂げている。 高校野球のあるべき姿を問う本作品が20年近く前に刊行されている。これを読んだ読者は、それぞれ何を感じるのだろうか。名書とは、内容が面白いのは当然で加えて考えさせられる作品のことだと思う。本書がまさにそうである。 なかなか面白い作品でした名門・信光学園を甲子園に導いたバッテリー・向井と真田。その二人が監督として、甲子園に帰ってきた。母校・信光学園を含めた3校の因縁対決で騒がれる中、かつての高校球児で、スポーツ紙記者の中山は、向井と真田の確執に疑念を覚え、調査を開始する。一方、フリーライターの大八木は、信光学園と向井率いる習志野西高校が、打順が1周する3回から突如として打撃爆発という傾向を見つけ、不正のにおいを嗅ぎ取る…。 この作品を引っ張るのは2つの謎。相手の投球を見極めて、100%近く打ちこんでしまう謎。そして、密室殺人の謎。後者に関しては、ミステリ小説のお約束であるが、前者の方法についてがとかく興味深く感じられた。 そして、明らかになった真実。これが描かれたのは1988年だが、現在でも言われている「高校野球のセミプロ化」に挑戦しようとした二人の若者。そこから生じたすれ違い。そして、それが招いてしまった事件…。途中まではただの「悪役」としか思えなかった男が秘めたもの。以前読んだ、『魔球』(東野圭吾著)同様に、実に「熱い」物語に仕上がっている。 正直、「100%打つ」方法に関して、科学的に実施できるのかどうか? という疑問はやはり残る。そして、もう一つ。密室の方もちょっと苦しいかな? という感じはする。そういう意味では欠点かな? とは思う。ただ、2つの謎で引っ張って、最後に明らかになる「思い」の熱さの印象は強い。十分に楽しめた。 |