間宮林蔵 (講談社文庫)

- 講談社 価格 ¥ 730
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間宮林蔵 (講談社文庫)


講談社

価格(new/used): 730 円 / 290 円 より
発売日: (1987-01) アマゾン売上ランキング: 62545 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 4件

小説だったのね
間宮林蔵といえば間宮海峡しか知らないってことで、Amazonをクリックした
研究本とおもっていたのに、文庫が届いてびっくり
久々に歴史小説かと読み進めたら、性格描写も含めて、とても面白い
本の中で人物が生命を得て動いていると感じた 全部実話かと感じるくらい
樺太探検以後の行き方を、死ぬまできちんと描ききっている点には脱帽した
日本人の知らない間に名づけられた「間宮海峡」
 水深1メートルの浅瀬ゆえに探検家を退けつづけた大陸と樺太の間の海峡。果敢に海峡であることを突き止めた間宮林蔵。そしてその業績は、鎖国下の日本から諜報家であったシーボルトの手を経てヨーロッパへと渡った。
 後年開国後にヨーロッパの文物がもたらされた明治期の日本に、地図にしるされた形で「間宮」の名前は戻ってきた。
 綿密な取材と、素晴らしい構築力で歴史を眼前に甦らせてくれる吉村昭氏の渾身の一作。
宗谷岬に立つ前に
間宮林蔵は、日本近海に異国船が出没し始めた時代に活躍した幕臣。
その時代前後は伊能忠敬・最上徳内・近藤重蔵・松田伝十郎・村上島之丞・上原熊次郎・松浦武四郎など
優れた北方探検家を群がるように輩出したが、当時全く未開であったと言っていい樺太の探索を極め、
間宮海峡を発見したという事跡において、その功績は一層光る。

海峡発見にとどまらず、そのまま海峡を渡りアムール川を遡上して、東韃地方までを見聞。
当時おぼろげでしかなかった北樺太の勢力関係や、山丹交易の実態をつぶさに明らかにして見せた。
その後は伊能忠敬の事業を引き継ぎ、蝦夷地の地図作成にも多大な貢献を果たしている。

この作品中では、樺太からデレンまでの探索は、間宮の著書である「東韃紀行」をほぼ現代小説の形に再現している。
それ以後の幕府隠密としての足跡にも触れ、一生を描ききっている。
吉村昭氏というと戦艦武蔵、赤い人など、淡々とした記録小説のイメージが強いが、
この作品に関しては、林蔵の幕府隠密としての孤独な姿や苦悩など、小説的な潤色や心理描写も加えている。
とはいえ林蔵の人間性と事跡について作者の個人的評価を押し付けることはなく、
読者自身の感情に任せる域を残した表現に留めている点、個人的には好感を持った。

日本の最果て、樺太の見える宗谷岬へ出かける前に、是非読んでもらいたい一冊。
あまり語られない間宮林蔵のすべて
名前は誰でも知っているが、その実態は余り知られているとはいえない間宮林蔵の本。鎖国されていた江戸時代において、限界に挑戦した探検家であるとともに、後年のシーボルトとの関係についても興味深く大変面白い人物であると思う。

とくに、後年のシーボルトとの関係については、いろいろと考え方があるようであるが(むしろ吉村説のほうが異端かも)、吉村氏は間宮ファンを傷つけないような方向にもっていっている(笑)。

この手の本のベテラン、吉村氏であるから、文章も安心して読める。