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ソクラテスの弁明・クリトン (講談社学術... |
| 三嶋 輝夫 - 講談社 価格 ¥ 924 | |
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ソクラテスの弁明・クリトン (講談社学術文庫)三嶋 輝夫 講談社 価格(new/used): 924 円 / 105 円 より 発売日: (1998-02) アマゾン売上ランキング: 65542 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 7件 これが名著?友人に奨められて読んでみたが、特に感じ入った箇所はない。ソクラテスやプラトンは吉本隆明の『共同幻想論』を全く知らないのだから無理もない。 読めば読むほど詭弁家に見える「自分は何も知らないから賢い」と、 自分が誰より賢いから知ったかぶりしている俗人を、 問答法によって叩きのめすやり方が、 果たして偉大なる哲学者にして自ら賢者と名乗るやり方として正しいのか? どんな世の中でも正論が通るとは限らない。 正論であっても他人の顔に泥を塗るようなやり方をすると、 ソクラテスのように死刑に処せられてしまうという 反面教師としては彼は素晴らしいかもしれない。 弁明を読めば読むほど、 彼がいかに自分が賢いかを 自慢しているだけに過ぎないと思うのは、 果たして私だけでしょうか。 無知であることの自覚若者を堕落させたとして裁判にかけられ、弁明するソクラテス。裁判の中、聴衆の怒号が聞こえてくるようです。 自分は知っていると思っていることが、実際には知っていると思い込んでいるだけであること。自分がほとんど何も知らないということ、知らないことだらけであることを自覚していること。これはどうせこういうものだろうというように、軽々しく高を括らず、物事に見切りをつけないこと。時代は変わっても、この根本的な哲学の重要性は変わることはありません。情報操作と、科学的教義、宗教的教義など、種々雑多な迷信に溢れる現代、むしろその重要性が増しているというのが実状だと思います。 ソクラテスのラディカル(根底的)な姿勢から学べるものの大きさは計り知れません。 ソクラテスと日本人の心性ソクラテスといえば、昔のギリシャの哲学者(前469-前339)で、 奥さんは悪妻で、 裁判で死刑を言い渡されたが 「悪法も法である」といって脱獄できるのにそれをせず、 潔く死刑になった人である。 筆者にはこれくらいの知識しかなかったが、 呉智英氏の「犬儒派だもの」を読んでいて、なんとなく気になって手にとってみた。 さて、本書はソクラテスの刑死後、弟子のプラトンが書いたものである。 「ソクラテスの弁明」はアテナイ市民に自己の無実を訴えた演説。 「クリトン」は、脱獄を勧めにきた親友クリトンとの対話である。 他に参考として、クセノポンが記した「ソクラテスの弁明」も付せられている。 ソクラテスを告訴したのはメレトスという劇作家だそうだ。 ソクラテスの死刑はアテナイの市民の投票で決まった。 しかしなぜ、ソクラテスが死刑になるほど市民に憎まれていたのかは この弁明からは、皆目わからない。 訴因は「ギリシャの神々を信じず他の神を奉じて若者たちの心を惑わせている」というもの。 さすれば、宗教裁判か、というとそういう信仰的なものではなく、 あくまで論理的な正邪、善悪でもって、弁論はなりたっている。 弁明を読んでいていちばん興味深かったのは、 神や真理や正義についての考えかたが、とても日本的である点。 キリスト教的唯一神の世界では信仰がすべての根源にあって、 そこは理屈ではないから信者でない者にはついていけないところがある。 しかしソクラテスは、唯一神ではなく人間や人間の作った法に 真や善や美の根拠を求めている。 ここが日本人の心性にフィットする。 「クリトン」で脱獄を拒否し、刑死を選択するソクラテスの理屈は、 日本人にもよくわかる。 古代ギリシャ人と日本人には何がしか共通点があるのかも知れない。 少し「ギリシャ哲学」といわれるものにあたってみたいと思った。 内容充実『弁明』『クリトン』は他に岩波文庫・新潮文庫・角川文庫で読んだが、この講談社学術文庫が日本語としては最も美しい翻訳になっていると思う。『弁明』と『クリトン』の組合せはありきたりだが、加えてクセノフォンの『弁明』も付いている。作品解説も近年のソクラテス研究の成果を踏まえて書かれており、他の文庫とは一線を画する。内容充実の、最もおすすめの『弁明』本である。 |