経済学のことば (講談社現代新書)

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経済学のことば (講談社現代新書)


講談社

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発売日: (2004-11-19) アマゾン売上ランキング: 156903 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件

経済学史を俯瞰ための書
主要な経済学者の「ことば」は、実際のところ、このように簡潔にまとめることはできない奥行きを持っているのだろうが、素人的に経済学史を俯瞰する上では良書と言えるのではないか。内容は多岐に渡り、要約することはできないが、例えば、①スミスは「独占」に対し厳しい一方、「労働者」に対する眼差しは暖かく、「シカゴ派」的な経済観とはかなり異なっていること、②古典派経済学は、「投下労働価値説」「差額地代論」「賃金の生存費説」「収穫逓減の法則」の4つの原理を唱えたリカードにより概ね完成されたこと、③新古典派は、価格を商品に内在する価値とは別に、限界効用に結びつけたジェボンズ、メンガー等に端を発すること、④ケインズの「有効需要の原理」には、ステュアート、マルサスという先駆者があったこと、⑤カルドアは、信用-貨幣経済化においては貨幣供給量が貨幣需要に応じて決まるという「内生説」を唱えた(他方、貨幣供給量が中央銀行によって決定されるというのが「外生説」)が、これが正しいとすると「マネタリスト」の主張を危うくし、「内生説」「外生説」の対立には決着がついていないこと、といった知見が容易に得ることができる。なお、著者は、マルクス、ヴェブレン、ガルブレイス、ボワイエといった、「異端派」的な経済学者への目配りも欠かさず、またボワイエ(レギュラシオン学派)を扱った章では、「歴史的にこうだったというような理論には全く意味がない」と言い放った経済学者が「多様性」に寛容でないことに疑義を述べるなど、一定の理解を示している。ただし、この点については、経済学が将来に向けての理論であるならば、ルーカス批判以後の現代においては、当該経済学者の意見にも一理あるかとは思う。
経済学者は、哲学者に近い存在かもしれない
経済学と哲学は通ずる部分があると考えている。後世の人々が言葉の一つ一つを世の真理として大切にしている面などは正しくそうであろう。経済学を世の片隅で語る小生は、知らず知らずのうちに経済学者の言葉を借りて話していることがある。その言葉は経済学者の言葉を誰かが受け売りで使い、そのまた受け売りで小生が使っている。そのため、実際の言葉と異なる使い方をしていることが多く、恥ずべきことであろう。無意識で使用している言葉が誰の言葉か、本書で判明するものがある。本書をきっかけに経済を深彫りしていくと言うような本ではないか。
経済学の豊かさを垣間見せてくれる本
経済学の名著から一部を引用し解説を加えた「名著案内」。
17世紀から現代に至るまで、経済学がどのように発展してきたのかが概観でき、経済学史への入門書としても良いだろう。
しかし、それより何より、この本の真の価値は、一般的な経済学の教科書などからは伝わりにくい、経済学本来の豊かさを垣間見せてくれることにある。著者の言うように、経済学史はまさに「宝の山」なのだ。
経済に関わる人なら誰でも、この本から何らかの発見をすることができるだろう。
ミニ経済学者辞典
 経済学者について初歩的なことを知りたい人には使えるでしょう。
 もっと突っ込んだことを知りたい人は【推奨文献】を参考にして
 読んでいけばよいでしょう。
 ただ気がかりなことは、筆者が「ヴェーバー」の章で
 大塚久雄の訳文を評価しすぎていることです。
 大塚訳『プロ倫』に誤訳があることを忘れてはいけません。
経済の鳥瞰図
1ページほどの経済学者の言葉に対して、1~3ページほどの解説が添えられている。言葉の説明だけでなく、その学者の背景や、その言葉が載せられた書物当時の情勢など詳しく書かれている。

ただ、新書の大きさという制約もあり、のせられている言葉は限られている。それを忘れずに読めば、経済に関する小史として価値がある。

ちなみに、載せられている経済学者は、いわゆる狭い範囲の経済学者ではなく、経済学に関する言葉を発した人たちという解釈が適当だ。