中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

- 講談社 価格 ¥ 840
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中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)


講談社

価格(new/used): 840 円 / 198 円 より
発売日: (2004-10-19) アマゾン売上ランキング: 29571 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 11件

「英雄」と「悪漢」
この本は「盗賊」を「キーワード」にして中国の歴史を描いた本です。

歴史を描く場合、主人公を「美化」して「英雄」物語として描く場合と、「欠点」のある人間として描き「悪漢」物語として描く場合がありますが、この本は後者にあたります。
それにより「毛沢東」を「美化」し「神格化」する中国共産党を「批判」し、中国共産党を「盲信」する「進歩的文化人」を「皮肉」った本になっているのですが、それとは別に、単純に歴史の本として読んでも十分に面白い本だと思います。

この本を読めば、よく言われる中国人は国家を信用しない、ということの意味もなんとなく理解できるのではないでしょうか。
網羅版希望
正直に告白します。
私、かつて岩波朝日的なものに洗脳されていた者のうちの一人です。
ずいぶん洗脳は解けたつもりでしたが、本書は最後の一撃になりました(笑)。

でも毛沢東が問題じゃないんですな。盗賊の大将に迎合する社会の有り様が強烈。
過去の王朝交代劇が20世紀にも繰り返されている、というのは比喩でもなんでも
ないんですなあ。
とりわけ印象に残ったのは、毛沢東の章以外でも、あっちこっちで軽く触れられ
る中国における歴史研究。なるほど、これは彼の国の歴史学会のみならずこちら
の一時期の論壇も、このようであったかと頷く次第。

・・・それだけではなく、純粋に中国歴史物としても出色のおもしろさ。
構想段階で泣く泣く削ったという、唐末の黄巣の乱なども追加し、毛沢東以後の
中国にも言及した、この著者による「完全版」ならぬ「網羅版」を希望中です。
現状認識力とバランス感覚。これぞ名著!!!
日本人が中華物を記す時は難しい・・・。深層心理に“文化は海を渡って西から来た。。”というDNAが働くから。
そういう感傷を抜きに多民族、狩猟&耕作混合民族とそこから出た英雄という名の成り上がり物を的確に論じる高島氏の論考はすばらしい。
毛沢東は共産主義者ではなかった!?
 週刊文春で連載コラムをお持ちの高島俊夫氏の本来のご専門分野のどちらかと言えば軽い読み物だ。
 中国4千年の歴史の中で数多くの王朝交代がなされたが、その多くは盗賊から成り上がった王朝だ、
とした上で、漢の劉邦、明の朱元璋などを取り上げている。
 希代の英雄もかたなしだが、もっとも面白いのは、毛沢東も同様の盗賊手法でのし上がり、
中国を牛耳ったというところだ。
 この第5章にあたる部分は当時の日中関係を鑑み、ページ数の関係からも出版にいたらなかった
内容であったとのこと。
 検閲はなくとも「進歩的文化人」やらが幅をきかせていた時代、そのような理由をつけて
出版社が自粛したのだろうか。
 ともかく、死蔵されていた原稿が日の目を見ることができたのは喜ばしい。

 ベストセラーとなっている「マオ−誰も知らなかった毛沢東」でも、毛沢東は数千万の人々を
殺したと言われているが、それが中国の歴史上繰り返されてきたことであり、搾取する国民党に
対抗する農民の味方「人民軍」という図式を取り払ってみれば、確かに理解に苦しむほどの
ことでもない。
 もともと流亡の盗賊集団だから、土地のしがらみもなく、財物や食料など平気で奪いもするし、
残忍な殺戮も平気で行う。
 著者のいうとおり、毛沢東は共産主義に学ぶより多くのことを中国の歴史に学び、それに忠実で
あっただけのことだったのだ。
 現在また、中国では多くの暴動が起こっているようだ。
 その鎮圧の様子も恐らく天安門事件にまさる厳しい武力行使が行われているだろう事は想像に難くない。 
 中国の本質を語る一冊だといえよう。
リアル戸川万吉達の物語
この本で竹林で文人が文物を愛でながら漢詩を詠んでる中国のイメージが、万民の万民に対する闘争を長年繰り返し続けたすれっ枯らしの成れの果てに変わりました。
男一匹ガキ大将の戸川万吉のホンモノたちが徐々に勢力を広げ、ついには天下を掠め取ってしまう。中国史の一方の主役は間違いなく盗賊たちだ。こんな奴らに2000年も引っ掻き回された中国人がすれっ枯らしになるのはそりゃ当然だよ。

陳勝・呉広、劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全のエピソードも面白いが、完全版で復活した毛沢東編はまさに傑作。
"毛沢東はマルクス主義者なんだからマルクスの本は読んだろうと思ったら大まちがいである。せいぜい中国人の書いた「マルクス主義早わかり」といったたぐいのパンフレットをのぞいたことがあるくらいのものだろう。(後略)"このくだりをもしクメールルージュとかセンデロ・ルミノソみたいな毛沢東主義者が目にしたらどんなことになるのか、想像しただけで腹がよじれるくらい笑える。
かといって、毛沢東を罵倒しているわけではない。毛沢東の古典的知識人としての優秀性を披露したり、彼の古典知識が総動員されたからこそ革命が成功したと指摘するといった具合で、マルクス主義の色眼鏡を外して毛沢東を評価している。