中核VS革マル (上) (講談社文庫)

- 講談社 価格 ¥ 520
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中核VS革マル (上) (講談社文庫)


講談社

価格(new/used): 520 円 / 56 円 より
発売日: (1983-01) アマゾン売上ランキング: 97166 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 8件

「共産主義」と「宗教」
この本で立花氏が例えたように「共産主義」と「宗教」の類似を指摘する人は少なくありません。

「既存の宗教の否定」「善悪二元論の教義」「弱者救済」「理想的な未来図」「教条主義」など、だからこそ「老若男女」「人種」や「国境」を越え、世界中の人達に支持されたのではないでしょうか。

そう考えれば「中核派」「革マル派」を含めた「共産主義者」の言動は不自然ではないと思います。
「神の寵愛(革命)」と「地上の権威(革命の果実)」を独占するための「異端」と「異教徒」との戦い、ということだと思います。
タイトルについて
 本書タイトルは私にはヤクザ映画を思わせた。この私的な印象を以て考えると、
 人間社会において、人間は集団組織(政党、教団、会社、暴力団等)を作る。そして派閥が生まれ、対立し、抗争を繰り返す。ヤクザはその意味で非常に分かやすい組織である。高邁な理想を掲げた組織でさえ、その鎖から逃れることは出来ない。(もちろん、新左翼はヤクザではない。)
 
 本書は抗争のあった同時代に書かれた。その一点からも読むに値する1冊であると思う。
最初の100ページだけでいいって感じ
両派のよって立つ由来と立場の違いなどを記述た最初の99ページまでは、「あーなるほどそうだったのか」であるが、それ以降は抗争を経時的に追っただけのルポであって知的好奇心だけを求めて読むには退屈である。
、ということで私は別の本を探して読むことになった。
大学時代の疑問が解けた
 10年近く前になるが、自分の通っていた大学にはまだ両派が存在していた(今も?)。
当時、両派のビラを見る機会や、両派の人に話を聞く機会があったが、お互いの悪
口を主張していることが多かった気がする。

 過去のことなど知らなかった自分は、似たもの同士(に思えた)なのに、なぜい
がみ合っているのか、似た目的(に思えた)のためには、協力して一緒に活動すれ
ばいいではないかと思っていた。彼らの考え方の違いもわからなかった。

 が、本書で、両派の路線対立や、両派の抗争の進展の歴史を読み、過去にここま
での悲惨な殺し合いがあったことを知ると共に、両派の方向性の違いや、両派が現
在に至っても批判しあっている理由がよくわかった。(途中、何度か、あまりの残
虐さに気分が悪くなる箇所もあったが。)

 立花隆は、捜査機関の一員でもないにもかかわらず、資料を丹念に読みこみ、取
材を重ね、これだけの内容を克明に描いたことは、さすがに力量を感じさせる。

 本書は1975年までの両派の対立を描いているが、立花隆には、1975年以降、現代
に至るまでの両派の動きのレポートを続編としてぜひ書いてほしい。当時のあまり
に過激な対立の後、どのような状態で現代に至っているのかを知りたいと思う。

 しかし、本書を読み、若者が政治に関心を持ったり論じたりすることに対して、
怪しいとか危ないとかいったイメージを世間に広めてしまったことに対しては、両
派の抗争を含め、当時の彼らの罪は非常に大きいと感じた。
わずか30年前の出来事
今から30年ほど前のことだが、中核と革マルと言う一般人からすればどこに違いがあるのかわからない両派が抗争を繰り広げ、殺人までもが正当化されてしまうのである。本書は、高い理想と正義感による革命運動が内ゲバ殺人にまで至った、その実態の克明なドキュメントである。

内ゲバを繰り広げた彼らの心情は理解しがたいが、ここに書かれていることは紛れもない事実である。かなりの日本人がこの時の運動に直接かかわらなくとも、ある程度のシンパシーを抱いたという点を忘れるべきではないだろう。暴力を用いなくとも、内ゲバと同類のことはいまだに起きているのだから。
(これは上下巻あわせてのレビューです)