やさしいダンテ〈神曲〉

- 角川書店 価格 ¥ 1,680
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やさしいダンテ〈神曲〉


角川書店

価格(new/used): 1,680 円 / 1,250 円 より
発売日: (2008-02) アマゾン売上ランキング: 106520 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件

相変わらず軽快な文学案内 in イタリア です
「ギリシア神話を知っていますか」から続く、阿刀田高氏のヨーロッパ古典シリーズ(「アラビアン・ナイト」「コーラン」の巻もありますがおおむねこれ)最新刊です。次は何かなぁ…と思っていたら、ついに来ました、イタリア編。ダンテの「神曲」です。

「神曲」はやはりヨーロッパの魂のひとつでもあると思うんですが、訳書をそのまま読んでも冗長で、なかなか面白みを感じるところまでいきません(私の不勉強もありますが)。このダンテの地獄めぐりを短編の名手、阿刀田氏がいつものとおりに軽やかに解説してくださいます。

このシリーズを通じて非常に気に入っているのは、原文にひそむ、ヨーロッパ(や中東)人なら当たり前でも日本人なら「それってどうよ?」と思う点が素直に示されつつ前に進んでいけるところです(その程度で地獄の業火に焼かれるのか、とか)。当時のイタリア貴族の勢力関係も分からなければ「神曲」は面倒な読み物なのですが、これもさらりと解説してダンテの俗物っぽさを浮かび上がらせます。至上の女性、ベアトリーチェも確かにきれいで清らかだろうけど、何となくウソっぽい?なぁ…とちょっと意地悪に思わせながら楽しく読み進められます。

「神曲」だけ研究していてもかなりの著作にできる業界もあると思うのですが、一般の文芸書としてこれだけコンパクトに美しく読ませていただけるありがたさにこの評価としたいと思います。気が早いですが、次回作も楽しみです。