彷徨える帝〈上〉 (角川文庫)

- 角川書店 価格 ¥ 780
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彷徨える帝〈上〉 (角川文庫)


角川書店

価格(new/used): 780 円 / 100 円 より
発売日: (2005-02) アマゾン売上ランキング: 214579 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件

足利義教の時代の歴史活劇
角川書店は、森村誠一の「太平記」を文庫化したのを受け、それを読んだ読者層を取り込むべく、少し時代の下った足利義教の時代を舞台にした本書をあわせて出版したのだろう。(私もその一人である)
南北朝時代ほどではないにせよ、室町時代の政治については、足利義満以外は学校で詳しく教えてもっらた印象はない。むしろ、金閣・銀閣といった室町時代の文化や、経済状況が中心だったように思う。

この作品は、南朝の流れを汲む後南朝の一派が、南北朝合一の時の両統迭立の約束を反故にした室町幕府に対し、倒幕、南朝再興を目指して繰り広げる駆け引きを、後南朝方の北畠宗十郎、幕府方の朝比奈範冬を軸に描く。物語の鍵は、後醍醐天皇が呪力を込め、その目を見たものは、足利幕府倒幕に駆り立てずにはおかないという黒色尉、白色尉、父尉の三つの能面。義満時代の大内義弘の反乱(応永の乱)も、この作品に登場する関東公方足利持氏の反乱(永享の乱)も、この能面がかかわっている。
黒色尉の面行方を求めて宗十郎と範冬が争うのが上巻。赤松満祐の将軍義教暗殺事件(嘉吉の乱)、嘉吉の土一揆で宗十郎と範冬が、再び相まみえる。
歴史活劇として十分楽しめる作品である。