続巷説百物語 (角川文庫)

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続巷説百物語 (角川文庫)


角川書店

価格(new/used): 900 円 / 320 円 より
発売日: (2005-02-24) アマゾン売上ランキング: 54880 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 10件

小悪党たちの過去
◆「野鉄砲」

 百介は、実兄である八王子同心・山岡軍八郎から、額に
 石つぶてがめり込んで死んだ同僚の事件について、相談を受ける。

 百介は、又市の知恵を借りようとするのだが…。


 又市一味の、ある人物の過去が明らかに。
 
 堅物ではあるものの、実直で情け深い軍八郎の人柄が、
 又市一味と好対照をなし、忘れ難い印象を残します。



◆「狐者異」

 大悪党・稲荷坂の祗右衛門が晒し首になった。

 彼は過去にも二度、斬首されたが、
 その度に生き返る不死身の男であるらしい。

 生首見物に来ていた百介は、そこでおぎんと会う。
 
 彼女は生首を見て呟く
 「まだ生きるつもりかえ」―と。



 不死身の妖怪「狐者異(こわい)」の
 正体とは、いったい何なのか?

 生首という、いかにもミステリらしい道具立てにより、
 戦慄すべき「仕掛け」が浮かび上がってきます。

 そして今回、おぎんの出生の秘密も明らかに。
闇の世界の住人達
文庫版が出た〜と買ったはいいものの、半年以上寝かせておりました。
前巻はアニメ化が決まり、百介を関俊彦さんが演じるというので読みました。
アニメの前に予習〜♪と思いまして。
内容は題名を見るとおどろおどろしい感じがしますが、中身は妖怪仕業に見せかけた仕掛けで罪人を成敗する仕事人のようなお話です。
百介は蝋燭問屋の若隠居・・・本当は後を継ぎ若旦那として店を切り盛りしなければいけない立場でありながら、そういうことには一切興味がなく、将来は諸国を巡って蒐集した怪談奇談を百物語にして開版するという夢を持ち、店の奥でひっそりと暮らしているという青年。
今で言えばニートに近いのか(^^;)
その青年が出会ったのが闇の世界の住人達。
毎回知らぬうちにその者達の仕掛けに一役買ってしまっているという、かなりのほほんとした青年です。

さて、今回はその闇の住人達の過去が明らかになってゆきます。
そして仕掛けも大掛かりなものになり百介もその狭間でいろいろな役目をしたりしますが・・・・

私はかなり百介に感情移入して読んでます。
彼の立場みたいなものに自分と通じるものが(大きい意味で)あるせいでしょうか(^_^;)
店の者の御陰で暮らせるという立場に申し訳なく思いながらもどうしようもなく自分を情けなく思っている百介の気持ちがよく分かるっていうのか。
そして闇の住人と接しながら闇の世界に憧れつつもその闇には入り込めず、かといって表の世界では物足りなく中途半端な感じとか。

なので今回の本を読み終わった時はなんとも言えない寂しさがありました。
置いていかれてしまったというのか・・・
今までは仕掛けのが済んで種明かしがあり、その話ごとに爽快感みたいなものがあったのですが、もう別の世界の人間になってしまったんだと思うと今までの事が夢のようで。

本の裏表紙などには完結とは書いていないので続くのかな?
でももう百介は出てこないんだと思うとやっぱり寂しいです。
百介に変わるような人物が出てくるのか、全く今までとは違った語り口になるのか・・・続きが出るなら読んでみたいと思います。
空間を感じる
『巷説百物語』と互い違いの時間軸で展開する本作。事件と登場人物たちの過去が絶妙に絡み合っているのが特徴である。前作では犯人の心理に少し無理があるような気がしたが、今回は全体を通して「七人御前」を主題とした様々な思惑、華麗な仕掛けが錯綜する様が見事である。

妖怪を題材としながら、事件の原因はほとんど人間にある。非常に神秘的な雰囲気を醸し出しているのにどこまでも論理的で現実的なプロットに読者は酔うのだろう。登場人物の痛快さは言うまでもない。
風景の描写も、色といい、動きといい、まるで目の前にスクリーンがあるかのようだ。だからこそ、最後の又市とおぎんの頭を下げる様子に苦しいくらい胸を打たれる。

残念だったのは、御行後の一部始終で安易な「めでたし、めでたし」があったこと。なので、星4つ。
怪奇物が嫌いという人にもお勧めです。
質の高さにただただ驚き
2001年5月リリース。『嗤う伊右衛門』に登場した御行の又市を中心に据えた『怪』シリーズ第2弾。今月文庫化されたこの続編で第130回直木賞を受賞した『後巷説百物語』には付録として詳細な『巷説百物語シリーズ解説書』が添付されていて好事家には必須アイテムとなっている。

6編の短編で構成されているのだが5番目の『死神』へと向かう伏線のような構成になっていて、6番目の『老人火』はその後日談にもなり長編として捉えることも可能な『仕掛』になっている。問わず語りのように物語る京極節は絶好調で、変にトリックまで考えねばならない京極堂シリーズよりもむしろ無理なくストーリーを紡ぎ出している。その質の高さにただただ驚きである。京極夏彦は京極堂よりもきっとこっちが書きたいのだろう。

妖怪仕立てで御行奉為(おんぎょうしたてまつる)ってしまいたい巨悪は現代にもやたら眼につく。そんな時又市の鈴の音が鳴り、キレイにしてもらいたいなぁ、と読書と音楽にあけくれる若隠居百介のような僕も思う。『前巷説百物語』もリリースされたが、一番読みたいのは『巷説百物語』と『続巷説百物語』の間あたりの『中巷説百物語』かもしれない。出して欲しいなぁ。
読むのを止めれない
京極夏彦の作品は映画となった『姑獲鳥の夏』で出会いました。
読んで以来はまってしまい、京極堂シリーズの文庫が出るのを待っている間の退屈しのぎとしてなんとなく手に取ったものでした。

これは巷説百物語の続き。順番を間違えてこっちを先に読んでしまいましたが…

昼の世界にいる百介と闇の世界にいる又市たちの話です。

読み出すと止められなくて、寝るのを忘れて読んでしまったほど夢中になりました。
又市たちに徐々に距離を置かれていく百介の寂しいという思いが伝わってきて、途中私自身と重なったのか泣きそうになったとこもありました。

妖怪や幽霊の仕業に見せかけて、事件を解決してゆく。。。
その方法はとっても鮮やかで素晴らしかったし、結末の部分ではその都度驚かされました。

一話一話つながっているものの、小分けになっているのでとっても読みやすくもあるので、
お勧めします。