夢にも思わない (角川文庫)

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夢にも思わない (角川文庫)


角川書店

価格(new/used): 650 円 / 1 円 より
発売日: (2002-11) アマゾン売上ランキング: 32995 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 21件

等身大……ではない中学生
主人公は好奇心旺盛でかなりの行動派、その親友は洞察力が鋭く知性的なクール。このお話はこの二人を軸に進んでいく。

物語序盤、突然起こる殺人事件。殺されたのはある女の子のいとこだった。
主人公はその女の子が好きで、どうにかしてその子のハートをゲットしたいと思い、真相解明に乗り出す。もちろん親友も一緒だ。
しかし、物語中盤で以前その子が親友と良い感じになっていたことを知る。「コイツもあの子のことを好きなんじゃないか? でも、それならなぜハッキリ言ってくれないのだろう」という心の葛藤、モヤモヤ。
子供が大人になろうとしている瞬間である。

宮部みゆきの作品には、面白い(共感できる)大人がしばしば登場する。ここでは敢えて書かないが、その辺も楽しみにして読んでほしい。

また、この本は「今夜は眠れない」の続編となっているので、ぜひそちらを読んでからこちらを読んでほしい。
夢にも思わない結末
“今夜は眠れない”の続編である。前作“今夜は眠れない”から話が続いているわけではないが…前作の登場人物が、物語の途中でいきなり登場したりするので、前作も読んでおいたほうが良いかと思う。
物語は、主人公・緒方雅男が思いを寄せるクドウさんの従妹・亜紀子が殺されるというところから始まる。従妹が殺人事件の被害者ということで、クドウさんはいらぬ噂が立てられたり、変な意味で注目されることになる。いってみれば、クドウさんもこの殺人事件の間接的な被害者になってしまったのだ。当然、緒方雅男は、そんなクドウさんを元気付けようとする。
事件は徐々に解決へ向かう。それとともに緒方雅男とクドウさんは仲を深めていく。そして、事件の真相は解明されたように思えた。しかし、最後の最後でどんでん返しがある。それは、主人公・緒方雅男にとってみれば「夢にも思わない」ことだった…それが本作品のタイトルになっているのだろうか?
最終的な結末は、作者なりのメッセージが込められているように感じる。ただのミステリー作品で終わらせなかったところが、「さすが、宮部ゆみき!」といった感じがした。
「いい子」って?
 夏に一家で大騒動に巻き込まれた緒方雅男くん、秋に入ったばっかりで、またもやトラブルに巻き込まれる。今度は、殺人事件。
 
 事件に絡めて雅男くんの淡い恋なんかも描かれていて、結末自体は後味が悪くなりそうな内容なのに、どこかさわやかな風を感じてしまうのは、さすが宮部作品。私の大好きな”少年もの”(少年が主人公の作品)です。

 今では、売春どころか”援助交際”と称して堂々と体を売り、それに全く罪悪感を感じない子どもがいる時代、ちょっと道を踏み外した少女がこういった世界に入っていくこと自体、それほど珍しいことではないのかもしれない。だから、ストーリーの展開自体は、それほど目新しいものではないのだけど、やはりキャラクターが魅力だし、それぞれの”心”がよく描けていると思う。主人公の雅男&島崎コンビはちょっと頭が良すぎる気もするが、こんな中学生だっているに違いない、と思いたい。

 雅男くんが思いを寄せるのは、最初は”被害者”だと思われたクドウさん。売春組織と関わりがあった従姉に執拗に迫られていて、危ないところだったようなのだが・・・。悪いことだとわかっていてもそこから抜け出せない少女たちと、フツウの世界に住む少女たちとの違いは何だろう?いい子と悪い子の違いって何だろう?見た目で判断できるものか?いろんなことを考えさせられるラストでした。私も親だから、ついつい自分のこと照らし合わせて考えてしまいます。どうしたら、本当の意味の”いい子”になれるだろうって。服装がちょっと派手でも、とても心の優しい子もいれば、成績優秀、一見おしとやかな女の子でも、人として何かが欠けている子もいる。ストーリーとは関係のないところで、問題を与えられたような気がしました。

 主人公と同じ中学生が読んだ場合と、大人が読んだ場合では、視点が違って、いろいろな感想が生まれそうな作品です。
悲しいボーイ・ミーツ・ガール
悲しいボーイ・ミーツ・ガールでした。
少年が一歩大人になった。確かに一歩階段を踏みしめた音が聞こえてきそうな作品。
悲劇にせずにこれを書けるのはちょっとすごいと思いました。
惜しい!
主人公が同い年ってこともあってサクッと読めそうなので買ったんですが……中学生じゃないなぁと思いました。軸になる二人がいいヤツで今の中学生っぽくはなかったけれど、そこには好感持てました。それに感情の起伏が激しいのも、思春期独特の感じがでててよかったし、大人になると出てくるであろうちょっとすれたというか、諦めたというかそういう部分もなくてそこはらしいと思いました。ただみんな頭良すぎかなぁ。確かに思考力の高い中学生もいるだろうとは思うし、売春とかに対してショックを受ける人ももう少ないでしょう。でも中学生は中学生であって、やっぱり子どもなんだと思います。親に養ってもらってる立場ですから。それをかんがえると年齢設定は、せめてバイトやってる高校生ぐらいがよかったかなぁ。だって俺ここまで達観出来ないもん(笑)
でもそこを除けばかなり面白かったです。文章も簡単だし。
人が内面に持っているだろう、様々な感情がきれいに描かれていました。メンタル面ではかなり共感できる部分も多く、負の部分だけでなく、正の部分もあり良かったです。(個人的には、いつも冷静な島崎君が怒りをこらえて眼鏡をふくシーンが好き)
りづめの構造には感心して、流石宮部さんって感じでした。
最後の主人公がどうしても許せなかった、思いやりの天秤ばかり、それがしょうがないと納得できない、大人になるにつれてきえていきがちな感情なのかなぁ(緒方くんの姿をみて、その感情は守り続けたいと感じました。)いつかきっと現れるであろう、緒方くんの大切な人、俺もいつか見つけたいなぁ。

長文失礼しました。