不夜城 (角川文庫)

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不夜城 (角川文庫)


角川書店

価格(new/used): 700 円 / 1 円 より
発売日: (1998-04) アマゾン売上ランキング: 16284 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 34件

花村萬月を越えてない
文体が平易過ぎて脱力する。
女も男も犯し、殺人もする主人公だが、
小市民的に思える。
ハードボイルドというか、ノワールだが、
犯罪裏社会という特殊な職業を舞台にしたサラリーマン小説を読んだ感じ。
スリルもサスペンスも感じないんですが?
取引先の大企業の重役を接待する為に、
宴会のセッティングに奔走する幹事の物語と同じメソッドで書ける小説。
電話かけまくって根回しする主人公が律儀なサラリーマンみたいに思った。
こいつ、犯罪しなくても、立派に表社会でも生きていけると思ったよw
花村萬月は越えてない芸のない小説。
黒い物語
 血、半々、過去、夢、愛、裏切り

 この小説は二人の男女の内外に存在するこれら全てのものが複雑に絡み合い、変化していく様子をリアルに描いた物語だといえる。

 心が真っ黒に染まってしまった男と黒曜石のような目を持つ女が出会い、お互いに自分達が似たもの同士だということを認識する。信頼と嘘を繰り返すうちに互いに信じようという気持ちは生まれるのだが、そんなふうに生きてきていないためか、なかなかお互いを信じきれないでいる。

 そして最後に・・・。

 なにかと言ってきたがこの小説の最大の魅力は、やはりその全てが「リアル」だということに尽きると思う。物語の出来事自体は私達一般市民には縁のないことかもしれないが、その中で生まれる感情を私達に縁がないものだとは思わせない著者の心情描写は本当に素晴らしい。
心が啼く
今から思い返せば、随分前、この本が出版されてすぐのころ、この映画の宣伝が出回っていたころの98年当時に読んだこの本は初めての馳作品。いまとなっては、映画を先に観たのか(トニーレオンのドクターマックの監督でもあることはあとから知った)小説を先に読んだのかぼんやりしそうなほど映画もよかった、が、私の場合(確か)小説から先に(ま、どっちからでもぜんぜん違うよさがあると)。さて、馳作品の何がいいのかということに対しては、人間に対する暖かなまなざしがあるところだと思う。どのような状況であれ、生というものが、程よい距離感でどの生もあたたかなまなざしで描かれているところだと思う。程よいというのは、つまり、それぞれにしっかりと添いつつ、しかし、その状況に対する怜悧な描写も忘れず、どのような状況の中でも存在する(すくなくとも馳ワールドでは)状況に左右されない、誰にも邪魔されないきわめて個な存在としての(広がりはいろいろな意味でもちつつ)ほんのちょっとの気がつかない人には気がつかないような言葉にならないような暖かさ・温かさが(あるいは傷が)、描かれているからだと思う。そうい状況がいいとか悪いとかいうことについて敢えて踏み込まずに(おそらくはいいとはもちろん思ってはいないわけだけれども)、しかし、それでも、そういうこともあるのだということを、そういう状況におかれているどのような人々にも(たとえば、ダークムーンを読むと捜査側も捜査される側の心理もいろいろにみえてくる)しかし、心が啼く瞬間というのはある場合もあるのだと、状況を越えて、あるのだと、このように描ける人はいそうでいない、と思う。そういう一瞬をしみじみ感じさせるのが、この“不夜城”だ。一晩で、一気に読んだ。
泣き言を言っていいのは、堅気だけだ
主人公の劉健一かっこ良すぎ!

主人公から心の叫びを感じることができる一冊。
ヒリヒリと緊張し続ける世界感が、読み手をゾクゾクさせます。

ちなみに映画の方なんですが、佐藤夏美を演じた山本未来が
凄くエロかっこいいのに対して、
呉富春を演じた椎名詰平が単なる変質者にしか見えません。
主役を演じた金城武をさしおいて、
この作品をきっかけに結婚したと言われる2人ですが、
現場で何があったのか気になってしかたありません。

『泣き言を言っていいのは、堅気だけだ。おれは泣き言を言わない代わりに堅気から金をかすめとる。』本文引用

物語の大筋には関わらない文なんですが、
同じ根無し草として心に響いた一文です。
悲劇小説の大作
馳氏には負けた。

読んでいる途中、そんな心境になる。とてもかなわない。

舞台は新宿歌舞伎町で、特段興味を惹きつける場所でもなかろうが、主人公を台湾人と日本人から生まれた半々としたことで、この作品が綺羅星のように輝やいている。何故か?「血」という人間が克服できぬ事実をチンピラの悲劇という形で素直に記しているから。

ストーリー展開も個性的な利害関係者が入り組んでいて素晴らしい。