ひとめあなたに… (角川文庫)

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ひとめあなたに… (角川文庫)


角川書店

価格(new/used): 620 円 / 1 円 より
発売日: (1985-01) アマゾン売上ランキング: 27979 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 8件

何度読んでも色褪せない
新井素子作品はもう20年位前に「星へ行く船」で出会ってから読み漁りましたが、その中でも「ひとめあなたに…」は秀逸です。何度も何度も繰り返し、数え切れないくらい読み返しましたが、そのたびに色々と考えさせられました。

新井作品において特徴的な、主人公の語り口調で綴られていきますが、物語の主題はヒロインの純愛よりも、ヒロインが出会う狂っていく普通の人々でしょう。狂って行く人々の気持ちと行動は、何事もないときには、ただの狂気でしかありませんが、果たして、非常事態であるこの瞬間にこれらの行動に走る人々をおかしいと自分は言えるだろうか?むしろ彼らこそがあたりまえの行動をとっているのではないか、おかしいのは誰なのだろうか、そんな気持ちになります。

この作品から翻って現実を考えたとき、現実では戦争やテロリズムなど非常事態の中で、作品と同様のことあるいはそれ以上のことが行われていることでしょう。非常時の中の侠気と正気の境目のなさ、その恐ろしさをわずか20歳で、まるで映画を撮影するように描き出した作者は、今更ながらすごいと思います。

ファンの方にはもちろん、そうではない方にもお勧めできます。
特に高校生にお勧め。是非読んで欲しい一冊です。
人の本質は最後に見える
普段、どんなにきれいごとをならべていても、
パニック時(しかも地球滅亡の危機)には人間の本質が
露見されるのだと思い、とても怖かった。

誰もが潜在的に死を恐れている。
それが間近に迫り、狂ってしまう人々・・・。

これってホントに人間の確信を付いている!!
きっとほとんどの人がやりきれなさでそうなる。

そんな中、主人公はただ「彼に会いたい」という思いだけを抱き、
ひたむきに鎌倉へと向かう。
狂気も人の真実に違いないけど、
主人公の愛も間違いなく人の真実。

前に何かの本で読んだ
「人は愛するために生まれてきた」、
この言葉を主人公に見た気がしました。

新井素子、20歳の頃の作品です。
20歳でこのスケールの大きさには驚かされます。
彼女の独特の世界観は誰にも真似できない。
もっともっと書いてほしい作家なんですけどねぇ。

もしあと一週間でこの世界が滅亡するとしたら、
私は誰と、何をして過ごしたいだろう。
誰もがそれを考えずにはいられないと思います。
チャイニーズスープ
狂言まわし的な主人公よりも、不倫している旦那を刺殺し、食べてしまう妻の話が・・・非常に印象に残った。
人肉食の壮絶さよりも、心理過程が理解できるものがあって・・・恐怖を増幅させた。
愛する人を自分のものにするために食べてしまう。ストーカーの心理だ。
切ない話です
文庫本で手に入れてから、何度読み返したかわかりません。
新井さんの本に共通する主人公の一生懸命な姿には、何度読んでも感動します。
未だに読み返します
これ読んだのは本当に15年以上も昔なのに全然古さを感じさせない作品です。
隕石衝突による地球滅亡まで残り1週間、限られた期限の中難病に冒された恋人にひたすらに会いに行く主人公。
設定もかなり衝撃的で狂っていく人々の中、自分の想いだけを持って恋人に会いに行く様がひたむきで印象的でした。

悲劇的な世界の中美しいラストシーンが映画の様に心に残ります。
ちょっと個性的な文なので受け入れられない人もいるかもしれませんが他の新井作品と少し感じが違いますので是非読んでみては?