騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノ...

- 朝日新聞社 価格 ¥ 882
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騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノラマノベルス) (ソノラマノベルス)


朝日新聞社

価格(new/used): 882 円 / 476 円 より
発売日: (2008-03-21) アマゾン売上ランキング: 12691 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件

これぞ菊地ジュブナイル!
久々に、本当に久々に、愉快痛快な菊地小説を読ませていただいたという印象です。
最近はアダルト版魔界都市作品ばかりが書かれ、そちらも大好きだった私ですが、なぜか徐々に変貌してゆく(一言で言っちゃうと、どんどん意地悪になっていく)せつらやメフィストに正直、失望していました。今のせつらやメフィストのほうが好きだという方には申し訳ありませんが。

こっちが自分の本質に近い、みたいなことを菊地さんはあとがきで書かれていますが、決してそんなことはないと思います。
十六夜京也、八頭大、清澄薫、こちらはアダルトですが、水月豹馬に工藤明彦。どんなに心が荒み、他人を信じられなくなっている人間でも、「彼らだけは」無条件で信じられる。そんな爽やかで痛快で、何よりも読者自身が信じられる主人公。それもまた、菊地秀行でしか生み出せないキャラクターだったはずです。

20年の時間は、彼らを「今時流行の」ひねくれて冷めた主人公たちとは違う存在に感じさせるかもしれません。でも私は思う。彼らこそが「ジュブナイル」に本当にふさわしい主人公だと。たいした能力も持たず、頭も顔もぱっとしなくて優柔不断なくせに、強くて美しい女性に「なぜかもてるだけ」が唯一の個性の、最近のギャルゲー的ライトノベルの男性主人公たち。「あんな連中なんか」と同列に扱ってほしくない。本当に格好いいジュブナイルキャラクターの20年ぶりの復活に、心の底からそう思います。
不変のかっこよさ
 二十年ぶりのシリーズ最新作です。なんともひょうきんな題名から、正直いって出来を危ぶんでいたのですが、これは良作! 自転車暴走族、天才詐欺師、手裏剣使いの医者など、魅力的な脇役がつぎつぎと登場し、菊地先生の最大の欠点である「伏線投げっぱなし」も、今回はほとんどありません。
 そしてなにより、まっとうな正義漢である京也の魅力が健在だったのがうれしい。時代おくれなんじゃない、時代が変わっても不変のかっこよさなんだ。
 前作「魔界都市〈新宿〉完全版」を未読のかたは、ぜひ併せてお読みください。ライトノベルの元祖、その色あせぬ光芒を体感してほしいです。
20年経った今では、主人公に無理があるようです
 魔界都市<新宿>は、ソノラマ文庫から出ていた菊地秀行のデビュー作であり、氏の原点です。が、その正統派の魔界都市<新宿>は、デビュー作の魔界都市<新宿>と二冊目の空中庭園をテーマにした作品を最期に作品の発表はなく、その後は同じ「魔界都市」の新宿という場所を借りてのマンサーチャー「秋せつら」を主人公にしたシリーズ、魔界医師のメフィストを主人公にした「ドクター・メフィスト」シリーズ、新宿のガイドを主人公にした魔界都市リポートのシリーズなどスピンオフ作品ばかりでした。
 著者の菊地秀行氏本人があとがきに書いていますが、今の彼の作風や作品世界の雰囲気と、このデビュー作の主人公の雰囲気があまりに違うので続けていくには無理があったからです。そして、それはやはり今でも解消されているようには見えません。これも氏があとがきで書いているように確かに主人公の十六夜京也も、ヒロインの羅魔さやかも、どちらも魔界都市になじませる為に性格が変えられていますが、それでもちょっと彼が書く今現在の作品世界のシリーズの主人公としては物足りない感じになってしまっていて無理があります。正直に言って、他のシリーズ作品と並べられると一段落ちる感じがしてしまいました。
 なので、他シリーズでは神に近い能力を持つメフィストがちっちゃな嫉妬心でしでかす事や他者が彼に近い医学的能力を出してしまう事も含めて、この魔界都市新宿は、他のシリーズの魔界都市新宿とは別物、もしくはパラレルで関連性はないものとして読む方が作者にとっても読者にとっても幸せな気がします。
 タイトルの騙し屋ジョニーだけは、今までの氏のパターンにないキャラクターで面白かったですけれど、でも、作品全体としてはやっぱり評価が下になってしまいます。という事でお勧め度は5の3です。
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