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暴力に逆らって書く―大江健三郎往復書簡 ... |
| - 朝日新聞社 価格 ¥ 735 | |
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暴力に逆らって書く―大江健三郎往復書簡 (朝日文庫)朝日新聞社 価格(new/used): 735 円 / 255 円 より 発売日: (2006-10) アマゾン売上ランキング: 193072 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件 私の「エッセイ、評論に関する限りもっとも大切な一冊」by大江氏大江氏や各対話者が自身で認めているように、彼らのペンによる闘いは絶望的です。ほとんど勝目がありません。例えば、イスラエルの非武装化(アモス・オズ)、中国に自由をもたらすこと(鄭義)、核兵器の廃絶(ジョナサン・ショエル)といった主張を彼らは長年展開しています。本書でも、政治・経済・外交の修羅場で日々しのぎを削る実務家からは笑殺されそうな一見「青臭い」議論が、大江氏との間で交わされています。しかし、やはり高校生が「戦争は人殺しだから悪だ」と言っているのとはレベルが違う。大江氏始め多くの対話者が、その思想の起点となる強烈な体験を幼少時にもっており、さらにその後万巻の書を読み、世界の各地を訪ね歩き、問題意識を深化させ続けた末に吐露された言葉だからです。どんな状況にあっても姿勢を変えないだろうな、と思わせる「筋金入り」の雰囲気があります。自分はペシミストでもユートピアンでもない、「ありのままに現実を見つめ、それでも希望を捨てないだけです」というN・ゴーディマの一文が、大江氏や他の対話者にもあてはまると思いました。 とはいえ、少しも立ち位置のズレが無い、うなずきあっているだけの対談(往復書簡)ではありません。S・ソンタグは大江氏の楽観主義に皮肉めいた返信をしているし、A・センは文学者が見落としがちな「競争」の倫理的意義(支配的地位にいる者の堕落を防ぐ)を説明し、また自虐的(?)すぎる大江氏に日本の経済発展は偉業であると指摘して励ましています(笑)。彼らの思想に親しんでいる人なら、もっと細かな二人の間のニュアンスの違いを読み取っていく楽しみ方もできるんでしょう。 大江氏が手紙を送るたびに無視されないか心配したと述べているように、これだけの面々全員から真剣な返答を引き出せたのは、ノーベル賞の威光を考えたとしてもスゴイことでしょう。文庫化を機に、手にしてよかったです。 |