伊那谷の老子 (朝日文庫)

- 朝日新聞社 価格 ¥ 588
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伊那谷の老子 (朝日文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 588 円 / 297 円 より
発売日: (2004-07-10) アマゾン売上ランキング: 77524 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

老子の凄み
 最近の老子ブームの立役者であるという理解で本作を読んでみた。気軽に読み出したが 途中から座りなおして一気に読み終えたところだ。

 一点目。著者は英訳の老子から 老子に傾倒した点にまず驚いた。但し手元にある中公文庫の「老子」でも訳注者の小川環樹も同じ英訳老子が大変参考になっていると言っていた。
 日本でも古来から老子は読まれてきたわけだが その日本の「老子」ではなく 英語に訳された「老子」が役立つという事態は 僕の想定外であり その点に吃驚した次第だ。

 二点目。「老子」を訳する「自由さ」に感銘を受けた。
 「老子の役者とは すくなくとも原文を誤解する権利のある者なのだ」という1910年のドイツ人の言葉も加島は紹介しているが この言葉には正直 衝撃を受けた。その自由奔放さを加島は受け継ぎ 自分なりに自由に老子を解説している。いや 「解説」というような大上段に構えたものではなく 自分が老子になりきって 自分の言葉で自分の思いを語っている。それが本書である。

 結局「老子」の凄みとは それを語る人をして その人の解釈を引き出す点にあると思う。「老子」をどう読むかは その人の自由だ。しかも 怖ろしいのは その人の「読み方」に その人の人となりが出てくる点にある。

 僕も自分のブログに「老子」というコーナーを作って 思いつくことを書いてきたが これはもっと本腰を入れなくてはならないと考えたところだ。
柔らかさと弱さの強さ
初めて老子の思想に触れた思いがした。
「老子」?名前は知っていてもいったいどんな人だったのか皆目見当が
つかなかった。でも「タオ」というコトバはヨーロッパ経由で知っていたので、ちょっと入門編と思って読んでみた。
なぜ今までこんな大事で素敵な考え方を知らなかったのかと驚いた。
作者の加島さんはすでに70を超えた方だというが、現代詩として
老子のコトバを意訳していらっしゃる。その詩としてのコトバが
すばらしい。直接、こころに触れてくる。おかげで何千年も前に生きていた老子という1人の人間の考え方がものすごく新鮮に伝わってくる。
老子への誘い
 英米文学者が「老子」のこころ、その現代性を語る。加島さんの「老子」にはじめて接する人にもってこいの文庫本。通勤やお出かけの電車の中などで読むのにも向いています。コーヒースタンドで気軽に読むのにも良い、と思います。「老子」がグッと身近になった気がするかもしれません。

 淡交社版の単行本の文庫化。文庫化にあたって少しだけ変更が加えられ、水墨画文と加島訳「老子」抄の第2章は省かれました。削られた画文の代わりにとでも云いますか、表紙カバーに同類の画文を使っています。その他、第1章の題名にも変化があって、以前の「風と影の時間に」が「谷の四季」となりました。他方で、住んでいる伊那谷の地図とたくさんの写真、それに第1章の解題を含む文庫版へのはしがきなどが新しく加わりました。その結果、さきの単行本が「加島老子の入門書」であったのに対し、「加島老子への誘い」といった感じの軽い冊子になっています。それだけにいっそう読みやすいです。