美人論 (朝日文芸文庫)

- 朝日新聞社 価格 ¥ 861
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美人論 (朝日文芸文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 861 円 / 250 円 より
発売日: (1995-12) アマゾン売上ランキング: 55175 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 9件

ここまで美人にこだわるのはなぜ?
美人論を展開する男性は例外なく、特別な美人好きです。
あまり学がない男性だと「俺、ブスは嫌いだから」とストレートに言いますが、
なまじ学があると、こういう本を書くことになります・・・
ということが、女性が読めばすぐにわかる本です。
女の階層移動にみる人間不平等論
 テーマは器量が起動する女の階層移動。
 倫理は歴史的相対主義。人の上に人をつくり、人の下に人をつくる。
 両大戦間期をさかいに、差別的「美人善悪論」から肯定的「民主主義美人論」へ。しかし、社会を構成する「たてまえ」に変更なし。(どの時代にも倫理には「たてまえ」が属性として存在する)
 変わったのは、一億ならぬ、五千万総美人。この背後にはさきの大衆社会の成立がある。
 「すべての女は美しい。現代の倫理は、そう言いきりたい。しかし、そう言いきるうえでじゃまになるものが、ひとつある。いうまでもない。面喰いの存在である」と、井上。
 「先天的な美貌は軽視される。それ以上に、後天的な修養の努力こそが、美人の条件になるのである。先天的に獲得したものよりも、後天的に獲得したものをたっとぶ。これは、あきらかに民主主義の倫理である。美人についての現代的なたてまえは、あきらかにこの民主主義にむしばまれている」、と。女は美人の刑に処せられている、というべきか。
 差別と平等、知性と感性、先天的と後天的の対立。しかし、井上は民主主義の弊害に凱歌をあげる。言ってみれば、人間不平等、それを隠蔽する現代の倫理。
 女の階層移動にまつわる、笑いと努力の人生論、ないし美人論である。
言説の歴史社会学の華麗なる実演。
フーコー流のアルケオロジーを、見事にデモンストレーションしている。内容の面白さもさることながら、方法論が素晴らしい。
ちなみに、筆者は京大出身の建築文化学者。
上野千鶴子の解説は、掲載する意味がわからない。ちゃんと読んでから書いているのか?
美人とはどんな人か
著者は、「美人」に対する価値観が、江戸時代、明治から第二次世界大戦、戦後の3つの時代で異なってきたという。

簡単にまとめれば、
江戸時代には、容姿は問題ではなく、心のきれいなことが重要だとされ、
明治以降は、美人であることは悪いことであるかのように言われ、
戦後は、美人であることが肯定され、それと並行して、美人の意味が広がり、さらに、面食い男は悪であるかのように言われ始めたのだという。

この背景には、身分制度の廃止により自由恋愛が可能になったことや、嫁の貰い手がなく学校に残って勉学に励んでいた女生徒を励ます意味があったこと、美容業界の台頭など、時代時代の理由があったのだという。

最後に著者は、女性の自立とともに男性にも”美しさ”が求められることになるだろうとし、できればこの予想は外れてほしいというが、本の出版後の日本の状況をみると、悲しいかな著者の予想は当たってきているようです。

ものすごい数の本や雑誌を読み込んでこの本を仕上げた著者には敬意を表したい。
めちゃくちゃ面白いですよ!
辛辣かつ興味深い容姿論
明治から現代に至るまでの「美女」と「醜女」への世間の見方および遇し方の変遷をつづった興味深い本です。
読み出したら止まりません。
一気に読んでしまいました。

戦前から使われていたという美人と不美人の顔が左右一対に描かれたカードを児童に見せて、
美しいと思う方を選ばせるという「鈴木・ビネー式知能測定法」では、正答(美人)を選べなかった児童は
「美醜に関する判断能力が劣っている」と決め付けられていたそうです・・・

また123ページの或る学者の「美女」と「醜女」の根本的な違いを説く一説は辛辣です! 
現代の学者が、こんなことをのたまったら袋叩きに遭うのは間違いないでしょう。

”美「人」論の近未来”として、「男にとっても、美しさが重要な意味を持つようになるらしい」と著者は予言しています。
ぜひ、この続編を読んでみたいものです。