罪なくして罰せず (朝日文庫)

- 朝日新聞社 価格 ¥ 546
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罪なくして罰せず (朝日文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 546 円 / 1 円 より
発売日: (2001-06) アマゾン売上ランキング: 384072 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 3件

現場主義
住専管理機構の社長となった著者の回顧録。ちょっといいところばかり書いている気がするものの、著者の飾らない人柄が窺える。弁護士として森永砒素ミルク事件や、豊島産廃問題に取組んできた記述は興味深い。著者が心がけてきたこととして、「現場主義」があげられているが、これは読書子も含め多くの人々が心がけるべきことだろう。「現場には必ずヒントがある」という著者の信念は、普遍的な真理として信じたいと思う。
公平なのだ
本書を通して貫かれているのは、著者の名前でもある「公平」。正義、公共、筋を通す、道義、理念という形も加えて、何度もその重要性が訴えられる。著者は、至るところでケンカをしながら、筋が通っていると信じる方向に、モノゴトを運ぼうとする。そして、著者の情熱に打たれて、その方向にモノゴトが進んでいく。

香川県豊島の産業廃棄物問題、森永砒素ミルク中毒事件、住管機構の社長時代、それぞれ簡単にしか触れられてはいないが、著者が追いかけてきた「公平」とは何か、「公平」であるためには何が必要か、という問いに対する答えが垣間みえる。不合理がまかり通る、この世の中。公の場で誠実に情熱をもって筋を通し、思いに付いてきてくれる人にも、付いてくることができない人にも気を配り、責任は自らがすべて取るような人間には、共感が集まり、難しいと思われるモノゴトが筋通りに前に進む。そんな夢のようなストーリーの存在を再び信じさせてくれる本だった

「罪なくして罰せず」の感想
本の内容は代表的な仕事(住専問題、豊田商事詐欺事件、森永砒素ミルクなど)についての中坊氏本人の回顧録。大半の事件で、被害者は単にその事件の被害者というだけでなく、国や地域社会から見捨てられていた点が痛ましい。これらの事件に携わった中坊氏が弁護士と一個人の視点から、随所で国や企業、マスメディアのモラル、在り方について糾しているのが印象に残った。彼の生い立ちや家族についても書かれているので、強い正義感の拠り所についても伺い知れる。ニュースや新聞では分からない事件の裏舞台に、驚いたり感心したり、静かに興奮させられる作品。少し浪花節調な所はご愛敬。