小耳にはさもう (朝日文庫)

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小耳にはさもう (朝日文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 546 円 / 1 円 より
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 2件

重要なのはものの見方
消しゴム版画と、短いエッセイで、視点がしっかりしていて、切り口が新鮮に見える。
 たとえば、「詩を書くことを控えてみてはどうか。自分を見つめる時間を減らすといいと思う」(p103)などというのは、そうそう出てくる発想ではない。
 人の好き嫌いは激しいようで、それが露骨に出ている。

 「政治的策略が好きそうなところも似ている。いかすかねい野郎である」などとはっきり書く。
 タレントに対して要求するのは「芸」である。
 「タレントが「ああ見えるけど実は……」などということに私は興味がない。「どう見えるか」もしくは「どう見られようとしているか」のほうが意味がある」(p77)とはっきり言いきっている。

 著者は昔からテレビ大好き人間だったようだが、ゴシップ好きではない。テレビ番組を見る目は厳しい。なぜ逸見政孝が、がん告白会見を行ったかということについて、「ああしなければ、芸能リポーターに殺されるかもしれなかったからではないのか。あいつらは病院に、病室に上がり込んでくるかもしれない。」(p130)と言う。逸見政孝はテレビの実情を知っていたから、先手を打ったというのだ。
 テレビに登場する人に対してばかりでなく、テレビを見ている人たちにも厳しい。
 「主婦は、とにかく無節操にでもひとつひとつの怒りや憤りのむいている方向と、同じ方向をむいて同情してもらいたがる。対面する形で諭されたり指南されたり、急に振り向かれてたしなめられたり、そんなことは望んでいないのである。」(p181)

 この程度の人間が見ている番組だから、あの程度の司会者が通用しているというわけで、見ている方に対しても、出ている方に対しても辛辣である。
 重要なのは、何を見ているか、ではない、どのように見るか、ということなのだ。

時代は「ご成婚」。「新加勢大周」はおすすめ
週刊朝日の連載第1弾。93年最大の話題は小和田雅子結婚だろう。敬称をつけないはずの著者でさえ「紀子さん」「雅子さん」としている。これがこの国での皇族ネタの限界なのだろう。それでも「「国民」(下々、ということですね)」p82と毒をはいている。死ぬ前に、生まれながらアドバンテージを背負いいき(結婚)おくれている天皇の長女や、遺伝的に大物の片鱗を見せている愛子などどんどん切ってほしかった。爆笑ネタとしては「新加勢大周」p95、この本の中で白眉。