MADE IN JAPAN(メイド・イン...

- 朝日新聞社 価格 ¥ 966
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MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 966 円 / 155 円 より
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 12件

日本全体を見ていたスケールの大きい経営者
ソニーに関することから、日本及び世界の経済に関することまで書かれており読み応えがありました。
前半に筆者の生い立ちがかかれており、自叙伝のない筆者の著作としては貴重な記述であると感じました。
後半は主に貿易の面から日本の進むべき道が示されています。
バブル崩壊を予言しているようであり、現在の日本にも当てはまる部分が多々あります。
現在のベンチャー経営者に、このようなスケールが大きく幅広い目線で行動できる人はいないように感じました。
非常に面白く、また日本の技術力に誇りを持てるようになる本です。
盛田氏の経営方針とソニー・スピリット
今から21年前、1987年に発行された、盛田昭夫氏(故 ソニー共同創業者)自身の
考えが語られた著書です。
前半は盛田氏の生い立ちから始まり、ソニーの海外展開までの経緯、盛田氏と家族の
アメリカでの生活などが当時のエピソードを交えて語られています。
後半は、主に経営についての自身の考えが語られているのですが、比較の対象にあが
っているアメリカ式の、レイオフと海外に生産拠点を移すことによる産業の空洞化が、鏡
像のようにバブル後の日本にあてはまるように感じました。

「アメリカの産業界は肉を削がれて骨ばかりになりつつある。そして同様のことが欧州
全域に起こっている。日本の企業の中にも、まもなく同じ運命に直面するところが出て
くるだろう。」(第9章 世界貿易より P325)

と、すでに産業について日本企業に警鐘を鳴らしている点があった事に驚きました。

読み応えのある本です。盛田氏が、ソニーで働いている社員が幸せでいる会社を築こう
と努力し、常に新しい経営の形を模索していた様子は、ソニーの信念、「ソニーは開拓者」
であり、「いつも未知の世界に向かって開かれ」「はつらつとした息吹に満たされている」と
いうソニー・スピリットが貫かれていると思いました。
ソニーと会社経営に興味のある方に。但し時代背景は20年前ですので、時間のある時に
じっくり読むことをお勧めします。そのため星3つに止めました。

あと冒頭に盛田氏が60歳ではじめたスキーの写真が載っていて、本田宗一郎氏が77歳で
フランス山頂からスイスまでハンググラインダーで飛んだ写真を思い出しました。
3つ子の魂100までなんでしょうか。すごい人たちです。
日本に誇りを持とう
面白い本だった。盛田さんが、自叙伝や自社の成功本ではなく、
日米経済の関係が良くなればという意図で引き受けた仕事が本書らしい。
アメリカ流、ハーバードビジネススタイルをよしとし、
日本流は駄目で、何でも否定してしまう人には、ぜひこの本を読んで欲しい。
アメリカの良い点だけを語る人に騙されてはいけない事が良く分かる。
誰でも、何処の国でも良い所、悪いところはあるわけで、
この本を読むと、日本の良さが改めて再確認できる。
特に、国際的な舞台できちんと意見を述べ、交渉相手を納得させる事は簡単な事ではないけれど、
あきらめずに、努力と意志、長い目を持ちトライしてゆくべきだと痛感する。
本書の内容は、全く色あせておらず、良書である。久々のヒット本で、評価は☆5つ。
自尊と調和の精神
本書は、「広島」という言葉ではじまる。
そして本書の題名は、「MADE IN JAPAN」だ。

ここに著者の思いが表れているように思う。
「広島」という言葉について、それを敗北と破滅の象徴としてだけでなく、日本の科学技術がアメリカに絶望的なほど遅れていた象徴として、筆者は描いている。そして、「MADE IN JAPAN」という題名は、(訳者あとがきにあるように)その遅れた科学技術の代名詞であった「MADE IN JAPAN」の製品が、今や世界で最も高品質な製品として世界を席巻し、日本を敗北と破滅から世界第二の経済繁栄を作り上げた象徴であることを表すとともに、そこには、「MADE IN JAPAN」、日本の信念、考え方が根本にあったことを表している。
本書は、外国人、特にアメリカ人に向けて書かれたものであるそうだ。つまり、筆者は、この信念と誇りを世界に向けて発したということだ。
しかし、本書は自画自賛の書でもない。自身の経験に基づき、日本の考えと、外国の考え方の違いを示し、その中で、自分の考えを合理的に伝えるとともに、他者の考えを理解し、尊重する、本質的な意味でのコミュニケーションの大切さを主張している。(これは、暗にアメリカ人に対して、他者への理解を説いているようにも読み取れる)。自分たちの成功に協力したアメリカ人に対する尊敬と感謝を表すとともに、アメリカの法律万能主義、株主中心主義、相互不信に率直に疑問を呈する。一方、日本の家族主義、強調精神を主張すると共に、なれあいや閉鎖性を批判し、経済大国である日本は世界に対してより責任を持つべきだと述べている。また、中国やソ連に対して、相手を思いやるからこそ率直な苦言を呈し、それに対し、指導者が真剣に受け止めたことを記している。
本書は、ビジネス書というより、ビジネスを通した異文化との相互理解のあり方についての書であるように思う。本書で主張されている、「自尊と調和」の精神は、主体が日本であれ、どこであれ、普遍的に通じる内容ではないだろうか。
同時に、我々日本人に対しては、敗戦で荒廃した日本が、繁栄を築いていく努力を説くと共に、今後、島国の日本が世界で生き残る為には、世界を理解し、世界的な責任を自覚することが不可欠であることを説いており、今生きている我々が本書を読むと身が引き締まる思いがする。

本書では日本人の美点についても、世界を理解しているからこそ、それと比較して明確に述べている。しかし、あまり言いたくないが、それらの美点、協調精神、忠誠心、完全主義、教育水準、貯蓄率などが、今の日本では薄れいているというような気がしてならない。
「失われた10年」の時代にもし、盛田が活動できていたら、と思うと残念でならない。時代が変わっても、1億2千万の国民が、世界で生き残っていくためには、世界情勢を理解し、その中で自分たちの生存空間を築き、守っていかねばならないことは変わりない。世界は、冷戦が終わり、中国やインド、ロシアが経済的に台頭する新しい世界に向かっており、その中で日本は遅れをとっているように感じる。だからこそ、かつて瓦礫の中から繁栄を築いた著者の考えをもう一度振り返る必要があるのではないだろうか。

文体は、実務家らしく簡潔、明瞭なもので、著者の、簡潔、合理的に自分の考えを他者に伝える姿勢がそのまま現れており、非常に読みやすい。

本書を読むと、勇気付けられると共に、叱咤激励されているような気分になる。本書は、世界で戦う日本企業のビジネスパーソンのみならず、すべての日本のビジネスパーソンに読んでもらいたいと思います。
「過去の遺物」か「将来への指針」か?
盛田昭夫の少年時代からソニーの成功までを描いた自伝が半分、
残りの半分は彼の経営哲学について書かれた本である。
盛田昭夫は、ソニーの共同設立者の1人であり、実質的な経営トップを勤めていた。
おそらく、本田宗一郎と並んで「もっとも世界に名前を知られた日本人ビジネスマン」
と言っていいだろう。

この本が出版されたのは、日本経済の絶頂期であったことに注目してほしい。
当時は(今とは異なり)終身雇用に代表される日本的な経営スタイルこそ
世界が見習うべき理想だと言われ、各国は日本に追いつくことを目標にしていた。
そんな状況もあり、各国語に翻訳されることを前提に
「Mede In Japan」と英語のタイトルが付けられたのだ。
短期的な利益のみを追求して簡単にリストラを行う欧米式経営よりも、
終身雇用を前提とした日本式経営がいかに優れているのかが説かれている。

ところがその後日本経済は停滞し、盛田が引退したソニーも
決して絶好調とは言えない状況が続いている。
あるいはこの本で書かれた「日本的経営の指針」は、
「過去の遺物」になってしまったのだろうか?

私はそうは思わない。
日本経済停滞の理由は日本式経営ではなく、
やみ雲に欧米式の経営スタイルに飛びついたことと言えないか。
現に、トヨタ、キヤノンと言った勝ち組企業には
頑なに日本式経営スタイルを守り通しているところが多い。

この本は決して過去の遺物ではなく、
日本経済の「将来の指針」として、もう一度読み返されてしかるべきだ。